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メルセデス・ベンツ450SL
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メルセデス・ベンツ450SL

1980年公開のリチャード・ギア主演「アメリカン・ジゴロ」は、若かりし頃の私に強烈な印象を残した映画である。ジョルジュ・アルマーニの衣装を粋に着こなした若きリチャード・ギアは、この作品で一気に人気が出た。趣味の良い美術品がさりげなく置かれた部屋や、ベッドの上に並べられた数枚のドレスシャツにタイを組み合わせるシーンなどは、その後、草刈正雄主演の「汚れた英雄」での、主人公・北野晶夫が豪華な自宅のドレッシングルームで衣装を選ぶシーンにかなりの影響を与えている…ように思う。

リチャード・ギア

しかし、何といってもオープニングシーンのカッコよさは群を抜いている。バックにはブロンディの「コール・ミー」の心浮き立つメロディが流れ、眩い陽光煌めくサンタモニカ(多分)の海岸線を疾走する黒塗りのオープンカーを運転するリチャード・ギア。そのクルマが「ベンツ450SL」なのだ。しばらくはこのクルマが欲しくてたまらなかった時期があるが、20代の若造が乗っても様にならない…と、冷静に自己分析したものだ。

オープニングシーン

余談ながら(好きなフレーズ…)、「アメリカン・ジゴロ」の簡単なストーリーを…

完璧な身のこなしと不思議なムードをもつジュリアン・ケイは、上流階級の婦人たちを相手にする売れっ子ジゴロ。今日も、彼は黒塗りの「ベンツ450SL」に乗って女主人アンに会いに行った。

彼女はトリノ生まれで身寄りのないジュリアンを教育し、一流のジゴロへと育てたのだ。しかし、アンから依頼される仕事は、時として嫌悪をもよおすものがあり、自分の自由に商売ができるようになりたいと常々思っていた。ある日、仲間のリオンからピンチヒッターの依頼を受ける。趣味の悪いSMやホモ中心に稼ぐリオンをジュリアンは嫌っていたが、金の条件が良いのでOKした。

彼女はトリノ生まれで身寄りのないジュリアンを教育し、一流のジゴロへと育てた

アンから受けた仕事を終えた夜、ジュリアンは、ビヴァリー・ヒルズの高級ホテルのバーで、ミシェルという美しい女性と出会った。ウエイターにフランス語で話している彼女を見て、旅行中の有閑マダムと思ったジュリアンはミシェルに声をかけたが、彼女は上院議員ストラットンの妻で、外遊で多忙な夫とは醒めた夫婦生活を送っており、欲求のはけ口を求めてバーに来ていた。他の女性たちとはどこか違う彼女の魅力に惹かれる自分を感じたが、深入りする気にはならず席を立つジュリアン。

翌日、リオンからの依頼でパーム・スプリングに向かったジュリアンは、レイマンという男の妻で異常性欲者を相手にしたが、ジュリアンは今後リオンからの仕事は断ることを告げる。自分のアパートに戻ったジュリアンは意外にもミシェルの訪問を受け、彼女を抱いた。

自分のアパートに戻ったジュリアンは意外にもミシェルの訪問を受け、彼女を抱いた

数日後、ジュリアンが相手をしたレイマンの妻が殺されるという事件が起きる。彼にはアリバイがあったが、一緒にいた女性がスキャンダルを恐れ、事実を否認したため、彼の立場は危うくなる。ジュリアンは自ら犯人捜しを始めるが、その結果、事件の黒幕がリオンであることを突き止めた。ジュリアンに拒まれた仕事を金髪の青年にやらせたところ、誤ってその青年が彼女を殺してしまったのだ。日頃、稼ぎの面で劣等感をもっていたリオンは、その罪をジュリアンになすりつけようと細工したのだった。

リオンを責めるジュリアン。そしてベランダに立っていたリオンは、誤って足を踏み外しベランダから墜落死してしまう。ジュリアンは逮捕された。リオンが死んだ件は事故としてかたづけられるが、レイマン夫人の件は、まだ彼が犯人とされていたのだ。

数日後、この事件に新たな展開が見られる。ミシェルが、彼と一緒だったと偽証したのだ。彼女は自分の地位も名誉も捨てて、ジュリアンとの愛に全てを賭けたのであった。そして、面会に来た彼女を、ジュリアンは愛をこめて見つめるのだった…というのが「アメリカン・ジゴロ」である。

リチャード・ギア

主人公ジュリアン・ケイのパートナーである、「ベンツ450SL」のルーツは、1954年のニューヨークオートショーで発表された「メルセデス・ベンツ300SL (Mercedes-Benz 300SL) 」。ガルウィングドアが特徴の2シーター・スポーツクーペで、世界初のガソリン直噴エンジン搭載車だ。プロレスラーの力道山や石原裕次郎の愛車としても有名なクルマだ。ちなみに、「SL」は「Sport Leicht(シュポルト・ライヒト)」の略で軽量スポーツカーを意味している。

Mercedes-Benz 300SL

「アメリカン・ジゴロ」の「ベンツ450SL」は、1971年に登場した3代目の「SL」で、シャシーコンポーネンツはミッドサイズの6気筒ガソリン車から転用されており、エンジンはSクラス用のユニットを搭載。着脱可能なハードトップ/ソフトトップを持った2シータースポーツカーである。1971年から1989年までの長きに渡って生産され、総生産台数は237,000台に上る。このうち約2/3はアメリカ(主に西海岸)で販売されており、「アメリカン・ジゴロ」で使用する車としては違和感のないチョイスだったといえる…かも。

また、先代モデルに比べ大きく、重く、豪華になったことで、「SL」の頭文字は「300SL」時代の「シュポルト・ライヒト」から「スーパー・ラグジュアリー」の「SL」に変わったことを意味していた。なお、1977年9月には高性能版「450SLC 5.0」が追加されている。搭載されたエンジンは450系をベースにストロークを延長した5リッターのユニットで、シリーズ最強の240馬力を発生させる。映画にはこのタイプが使用されたのではないだろうか…。

現在は、2001年にフルモデルチェンジし、5代目に移行している。これまでのソフトトップ及びデタッチャブルハードトップは廃止となり、バリオルーフ(電動格納式ハードトップ)が装備されている。

現行型の「SL」も美しいシルエットで独特の雰囲気を醸し出しているが、「アメリカン・ジゴロ」時代の「SL」には、どことなく気品を感じる。見た目は多少華奢なボディラインだが、古き佳き時代の哀愁が漂っているようだ。単に懐かしがっているだけかもしれないが、黒塗りの「ベンツ450SL」とアルマーニの衣装はかなり強烈なインパクトがあったことは間違いない。

現行型の「SL」
ベンツ450SL

 
 
 
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