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フォード・マスタング マッハ1
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フォード・マスタング マッハ1

決して繊細な美しさはないのだが、フラットで長いボンネット、やはり長く角度の高さを保ったルーフという荒削りでいかつい「究極のマッスル・カー」って感じのアメ車に、何となく心ときめいたことがある。今思えば、怖いもの見たさ?という感覚に近かったような気がする。

それが、「フォード・マスタング Mach1」である。やはり、昔観た映画での印象が強く、スクリーンの中で大活躍したクルマでだ。

「フォード・マスタング」は、第二次世界大戦以降に出生した、いわゆる「ベビーブーマー」世代向けの中型車として開発された。図体はかなりデカいが中型車というところがアメリカ的である…。1964年4月から開催されたニューヨーク万国博覧会の初日に発表された初代マスタングは、コンバーチブル及びハードトップのラインナップで登場し、そのスポーティーな外観や性能、低価格、「フルチョイスシステム」と呼ばれる多彩なオプション群と巧みな広告戦略などでアメリカ人の心をガッチリ掴み、1960年代中盤の好景気も背景にT型フォード以来と言われる同社の大ヒットとなった車種である。

ちなみに、初代マスタングの販売戦略とその成功は、日本において1970年に発売されるトヨタ・セリカにも多大な影響を与えたと言われている…。

1965年にファストバックタイプが追加。トップモデルは「GT」で、1967年モデルは映画「ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT」に緑色に白のストライプバイナルで登場。1968年モデルはスティーブ・マックイーン主演「ブリット」に登場している。マックイーンが運転する1968年型「フォード・マスタングGT390」と敵の1968年型「ダッジ・チャージャー」によるサンフランシスコの急斜面を利用したカー・アクションやクライマックスの空港での追跡劇が印象的な作品であった。

1968年型「フォード・マスタングGT390」と敵の1968年型「ダッジ・チャージャー」
フォード・マスタングGT390
フォード・マスタングGT390

そして、初代マスタングに比べ、1969年に登場した2代目マスタングは「ファストバック」の名称を「スポーツルーフ」に変更し、ハイパワーモデルの「Mach1」が追加されたのだ。

この「Mach1」の1971年モデルが「007/ダイヤモンドは永遠に」のボンドカーに採用され、1973年モデルの黄色にボンネットに黒の太いストライプが入った「Mach1」が「バニシング in 60」の影の主役「ELEANOR(エレノア)」としてスクリーンで大暴れした。

「007/ダイヤモンドは永遠に」のボンドカー
ELEANOR(エレノア)

第7作「007/ダイヤモンドは永遠に」は、いったんボンド役を退いたショーン・コネリーがカムバックした作品として話題を集めた。この作品がコネリーの007シリーズ卒業作品となったが、やっぱりボンドはコネリーだね…って、貫録十分だった。ただし、後に番外編の「ネバーセイ・ネバーアゲイン」で、もう一度だけボンドを演じている。

大掛かりなダイヤモンド密輸、そして殺人事件を捜査していたボンドは、その裏にアメリカの「ホワイト」という男の存在をかぎつけ、ラスベガスへ向かう。しかし、そこに待っていたのは国際犯罪組織・スペクターの首領で、ボンドが倒したはずのエルンスト・スタヴロ・ブロフェルドだった。ブロフェルドは、ダイヤモンドを使用したレーザーで地球を破壊する、と世界を相手どった脅迫を企てていた。ボンドは美しき密輸入業者のティファニーとともに、ブロフェルドが放った刺客に立ち向かう…因縁のある宿敵を倒そうと、ボンドが手を組んだ密輸入業者のティファニー・ケイスの愛車が、エクステリアもインテリアも赤に染まった「フォード・マスタング Mach1」なのだ。

カーチェイスは、ラスベガスの大通りで行われた
カーチェイスは、ラスベガスの大通りで行われた

したがって、正確にはボンドカーではないのだが…。逃亡のためにティファニーと運転を代わったボンドが繰り広げるカーチェイスは、ラスベガスの大通りで行われた。

「バニシング in 60(Gone in 60 Seconds)」は、1974年に公開されたド迫力のカーアクション映画である。どんな車でも「60秒で盗む」という車の窃盗団がテーマで、2000年にはニコラス・ケイジ主演で「60セカンズ」としてリメイクされている。原題の「Gone in 60 Seconds」は「60秒あれば、あなたの車は走り去っている」つまり、盗まれていると云う意味だ。カーチェイスの派手さを誇示するように、当時のキャッチコピーは「ぶっ壊した車93台」であった。

主人公のメインドリアン・ペースは元カーレーサーで、今は交通事故や車両窃盗を取り扱っている保健会社の属託調査員であるが、それは表の顔。本業は依頼を受けて目的の車を非合法に入手する、つまり窃盗によって取りそろえる窃盗団のボス。ある日、某国のディーラーから高価で希少な車の手配を頼まれる。その依頼を着々とこなしていたが、ある時ルールをめぐって諍いのあった仲間の裏切りにあい、警察に追われる羽目になる。ペースは最後の一台・黄色いマスタング、コードネーム「エレノア」を入手するが、その現場に現れた警察に発見される。ベースは「エレノア」駆り、ロスを舞台に一大カーチェイスを展開する。果たして無事逃げ切ることが出来るのか…。ベースは…「エレノア」は…

コードネーム「エレノア」

「エレノア」でのカーチェイスシーンは、上映時間のほぼ半分を割いた約40分にもわたり、今でもマニアの間では語りぐさとなっているシーンである。製作から30数年以上を経っても、このロングカーチェイスの記録は破られていないようだ。

カーチェイスは、ロケーションも含めて、ドキュメンタリータッチで撮影されており、主人公の車が通過後の被害処理にあたる警察やヤジ馬などの描写など、独特の雰囲気を醸し出している。ペースの車がハイウェイの鉄柱に激突するシーンでは、アクシデントによる実際の事故ショットであり、製作、監督、脚本、主演、スタントすべてを務めたH・B・ハリッキーは、負傷しながらも、カメラマンに「おい、ちゃんと撮ったか?」と聞いたというエピソードは有名である。

スタントマン出身のH・B・ハリッキーが自らハンドルを握る、カーアクション映画のカリスマ的作品なのだ。

ちなみに、続編「バニシング in 60 PART2」は1989年より製作が開始されたが、撮影中のスタントでの事故により、H・B・ハリッキー本人が不慮の死をとげ、作品自体は未完となってしまった。

フォード・マスタング Mach1

「フォード・マスタング Mach1」は、当初はそれなりの販売台数であったが、大型化、ハイパワー化したために、1970年代初頭のオイルショックによるアメリカの消費者の小型化、低燃費指向への対応ができず最終的に販売が低迷してしまった。1974年のフルモデルチェンジにより、3代目は「マスタングII」が正式名称となった。デザインはフォード傘下のデザインスタジオであるイタリアのギアが担当。また、オイルショックによる低燃費、小型化志向を受け、ボディサイズも大幅に縮小され、当初はV8エンジン搭載車の設定もなかった。古き佳き時代の終焉という感じで、「アメリカンマッスル」車は徐々に欧州化していった…。

余談ながら、1973年モデルの「Mach1」は、かつて栃木県警察に高速取締用パトカー車両として導入(寄贈)され、現在は鹿沼市の免許センターに展示されている。

シャープなデザインとでっかいボディーが懐かしい…

 
 
 
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