相棒 劇場版U
トロン:レガシー
KISS & KILL
SPACE BATTLESHIP ヤマト
ハリー・ポッターと死の秘宝
Part 1
SP 野望篇
THE MOTION PICTURE
エクスペンダブルズ
ナイト&デイ
十三人の刺客
THE LAST MESSAGE 海猿
バイオハザードIV
アフターライフ
特攻野郎Aチーム
ベストキッド
ソルト
インセプション
アデル ファラオと復活の秘薬
踊る大捜査線 THE MOVIE 3
ヤツらを解放せよ!
アウトレイジ
セックス・アンド・ザ・シティ2
アイアンマン 2
座頭市 THE LAST
プリンス・オブ・ペルシャ
時間の砂
パリより愛をこめて
グリーン・ゾーン
オーケストラ!
のだめカンタービレ最終楽章
後編
タイタンの戦い
第9地区
ハート・ロッカー
マイレージ・マイライフ
NINE ナイン
ショーロック・ホームズ
日本アカデミー賞
パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々
サロゲート
バレンタインデー
インビクタス/負けざる者たち
2009年の総括
イントロダクション
CINEMA Oh! PLEASE Top
製作年:2009年
上映時間:2時間14分
 
この感動は本物だ!
【イントロ】
あかん…あかんって…久々に涙が止まらない。もしかしたら今までに一番涙したかもしれない。実話とスポーツの組み合わせは最強かも…

「インビクタス/負けざる者たち」は、ネルソン・マンデラが南アフリカのラグビーチームのキャプテンと力を合わせ、南アフリカをひとつの団結した国へと成長させていく実話を元にしたストーリーである。

「ミリオンダラー・ベイビー」「硫黄島からの手紙」「グラン・トリノ」など傑作を次々と発表し、世界中から称賛の嵐を浴びたクリント・イーストウッド監督の記念すべき30作目。

95年に南アフリカで開かれたラグビーW杯で実際に起こった“奇跡”と、南ア初の黒人大統領でノーベル平和賞を受賞したネルソン・マンデラの不屈の魂を「私が我が運命の支配者、我が魂の指揮官」という彼の言葉を軸に、歴史の裏にある真実に見事な光をあてた感動作である。

【ストーリー】

白人支配が長く続いた南アフリカ共和国で1994年、ネルソン・マンデラが初の黒人大統領となった。その最初の仕事は、前政権の職員を引き留めること。

人種の違いを超えた協力こそが南アの問題解決に必要というのが彼の政治信条だ。しかし、国民の間に人種差別と経済格差が残されていることを痛感するマンデラ大統領。

そんな折、翌年南アで開催されることになっているラグビーワールドカップを機にラグビーを国民統合の象徴に変えようと考えた。スポーツという世界共通言語で国民の意識を変えることができると信じるマンデラは、南アフリカ代表ラグビーチームの再建を決意する。当時の南アではラグビーは白人の競技で、代表チームの「スプリングボクス」もアパルトヘイトを意味する存在だった。「スプリングボクス」は国際試合で戦える実力はなかったが、1995年のワールドカップ開催国だったために出場が認められていた。チームは白人ばかりで黒人選手はたった1人。そのチームを南アすべての人種がひとつになって応援することなど、当時はまったく考えられないことだった。

早速「スプリングボクス」の主将、ピナールを呼んで気さくに語り合い、チームには黒人居住地区で少年たちのコーチをさせてラグビーの浸透を図る地道な努力を続けた。

マンデラとラグビーの組み合わせは一見関係ないように思えるが、人種間対立が緊迫化するなか、白人の競技を国民全体の競技にすることは、彼自身が訴える「和解と許し」そのものだった。そして、マンデラ大統領の狙いは叶い、黒人と白人の対立はW杯優勝をきっかけに融和していく。

95年に南アで開かれたラグビーW杯で優勝したのは史実である。国際試合の経験が不足していた「スプリングボクス」が、優勝候補で最強チームといわれる「オールブラックス」を倒して優勝を飾ることができたのか…南アの全国民が生涯忘れることのない「1995年の奇跡」が見事なまでに描かれている。

インビクタスとはラテン語でUnconquer,Undefeat(征服されない、負けない)と言う意味で、マンデラ大統領がチームの主将に渡したウィリアム・アーネスト・ヘンリーの詩が由来。

”I am the master of my fate, I am the captain of my soul”(私は自らの運命の師であり、私は自らの魂の指揮官である)で締めくくられるこの詩がマンデラ氏の生き方の基本と言われている。実話だからこそ心打たれる作品であり、素晴らしいヒューマンドラマである。

【インプレッション】

1995年といえば日本では阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件などで騒然としていた。その頃南アフリカではこんなことになっていたんだ…って感じである。

マンデラ大統領がこんなに素晴らしい人格者だったことや、ラグビーが1つの国家が抱える多くの問題を融和させるきっかけになったことなど、まったく知らなかった。驚きと共に無知だった自分が恥ずかしくさえ思えた。

この映画の核となるラグビーワールドカップは、ラグビー(ユニオン)のナショナルチームの世界一を決定する大会で1987年以降、4年に一度、開催されている。優勝トロフィーは「ウェブ・エリス・カップ」と呼ばれている。国際ラグビー評議会(IRB)が主催していたが、現在の運営管理はラグビーワールドカップリミテッド(RWCL)に委託されている。大会規模は開催ごとに大きくなっており、今やスポーツイベントとしてはFIFAワールドカップ、夏季オリンピックに次ぐ世界で3番目に大きな大会なのだ。

1995年の大会は初の1ホスト国による開催であり、そしてまたアマチュアスポーツとして最後のラグビーワールドカップでもあった。この2ヵ月後、IRBはプロフェッショナルスポーツとしてのラグビーに門戸を開くことになる。

1995年6月24日行われた決勝戦は、史上初の延長にもつれ込む熱戦の末、南アフリカがニュージーランド(オールブラックス)を15―12で破って地元で初出場初優勝を果たした。この試合では、延長戦で決着がつかなかった場合には、両チームがノートライだったため、大会を通して退場者を出していないオールブラックスの勝ちとなるルールだった。延長でもお互いにペナルティゴールを1つずつ決めただけの均衡した状態で進むが、「スプリングボクス」のジョー・ストランスキーによるこの日2本目のドロップゴールで奇跡的な勝利を呼び込んだ。

会場の雰囲気、試合が進むと共に増す緊張感、何もかもが新しい世界の始まりを期待をしているようなどよめき…スポーツを超えた人間のドラマがそこには展開されていた。また、マンデラ大統領が「スプリングボクス」のジャージを着用して行ったトロフィー授与は、スポーツ史における最も偉大な瞬間の1つと賞されている。

なお、この大会には日本も出場し、ブルムフォンテンで試合をして予選で敗退。オールブラックスに7-145と、1試合最多失点の大会記録となる大敗を喫した。この不名誉な記録はまだ燦然?と輝いている…


モーガン・フリーマンの依頼で監督になったクリント・イーストウッドの演出は、史実に忠実で素直な演出のなかに軽いユーモアが散りばめられている。

決勝戦会場近くをうろつく黒人少年と、それを追い払う白人警備員が、一緒に勝利を喜んだり、大統領警護役の白人と黒人が心を許し合ったり、軽やかに人種問題をさばく手腕が見事だ。会場の上空を飛行するジェット機のシークエンスには実際にあのようなパイロットがいたことに大きな拍手をおくりたいものだ。ただ、9.11以前だったから美談になり得たエピソードなんだろうなぁ…と、思う。

監督がスクリーンに登場しているシーンがあるそうだ。決勝戦で闘うオールブラックスのデカい選手がディフェンスで潰されるシーンの後、スタンドでの観客たちが沸きあがるショットでスクリーンど真ん中にいる観客の一人として他の観客と一緒に万歳をしている…という情報があり、再度観ればチェックできるのだが、今は真しやかな噂とだけお伝えしておく。

劇中に登場するジョークに「サッカーは暴れ者の闘う紳士のスポーツ、ラグビーは紳士の闘う暴れ者のスポーツ」という件がある。当時の南アフリカでは白人がラグビー、黒人がサッカーという振り分けがあったようで、そのことを皮肉っているようだ。現在でもラグビーのナショナルチームはヨーロッパ系選手が中心で構成され、サッカーナショナルチームはアフリカ系の選手がメインである。

モーガン・フリーマンはネルソン・マンデルとダブって見えるほどの演技は安定感抜群である。フリーマン自身がマンデラの映画化を長く熱望し、ようやく実現させたのだから、感慨深いものであったに違いない。また、マット・デイモン扮する実在の南アラグビーチームのキャプテンは身長が190cm以上ある巨漢だが、デイモンはトレーニングで身体を鍛え、本物に見劣りすることのない存在感を醸し出している。


「インビクタス/負けざる者たち」は、スポーツを題材にしているが決してスポ根ドラマではなく、ネルソン・マンデラという偉大なリーダーのノンフィクションヒューマンドラマという表現がピッタリの映画だ。ハンカチの用意をして鑑賞することをお薦めする。この映画を観ないと人生で損をする!ってな感じの作品だ。

 
スタッフ キャスト
監督・製作:クリント・イーストウッド ネルソン・マンデラ:モーガン・フリーマン
原作:ジョン・カーリン フランソワ・ピナール:マット・デイモン
脚本:アンソニー・ペッカム ジョエル・ストランスキ:スコット・リーヴス
製作:ロリー・マクレアリー / ロバート・ロレンツ 他 ジョナ・ロム:ーザック・フュナティ
製作総指揮:モーガン・フリーマン / ティム・ムーア他 ルーベン・クルーガー:グラント・L・ロバーツ
撮影:トム・スターン ジェイソン・シャバララ:トニー・キゴロギ
美術:ジェームズ・J・ムラカミ ネリーン:マルグリット・ウィートリー
編集:ジョエル・コックス / ゲイリー・D・ローチ  
音楽:カイル・イーストウッド、マイケル・スティーヴンス  
<< Back Next >>
 
 
ホーム