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監督:ロブ・マーシャル 製作年:2009年
原案:アーサー・コピット 上映時間:1時間58分
   
愛しか見えない
男と女たちが繰り広げる
イタリア的「愛」のリアル。
【イントロ】

「ゴージャス&ファッショナブル」。そして、「スタイリッシュ」。付け加えることの「カオス」という感じの豪華絢爛な作品である。これ以上ないほどの煌びやかなキャスティングは魅力的だ。

アカデミー賞主演女優賞を受けたニコール・キッドマン、マリオン・コティヤール、同助演女優賞のペネロペ・クルスが顔を揃え、そして、主人公のイタリア人天才映画監督・グイド・コンティーニ役を2度の主演男優賞に輝いたダニエル・デイ・ルイスが演じている。大御所名女優ソフィア・ローレン、007シリーズのMとして活躍するジュディ・デンチが脇を固めるという華やかさ。グラミー賞歌手の愛称ファーギーこと、ステイシー・ファーガソンも女優として本格デビューを飾っている。

原作の「8 1/2」は、「人生は祭りだ」の台詞でも有名な映画で、映画史を通じての傑作ランキングでは、常に上位に挙げられる作品の1つである。

フェリーニ監督の自伝的性格を帯びていて、主人公はスランプに陥った映画監督。名優マルチェロ・マストロヤンニが演じ、虚実が交錯する入り組んだ物語で、プレッシャーに追い詰められて混乱した主人公の内面を描いている。

「8 1/2」をミュージカル作品に置き換えた「NINE」が、今回の作品のベースになっている。82年にブロードウェイで初演され、トニー賞5部門を受賞。アントニオ・バンデラス(「マスク・オブ・ゾロ」などで有名な、マッチョでセクシーな男優である)主演で2003年にリバイバル上演され、再び喝采を浴びた。今回の映画「NINE」は、このミュージカルの映画版という位置づけになっているようだ。

「NINE」のタイトル由来は、「8 1/2」に半歩(音楽とダンス)を加えた内容と、9本目の映画の製作に取り掛かろうとしていること、また、重要な役割を担うグイドの9歳当時のエピソードが盛り込まれているから…という解釈があるようだ。

ロブ・マーシャル監督はデビュー作「シカゴ」でも、ミュージカルの映画化に成功している。ダンサー、ミュージカル振り付け師としてのキャリアを持つだけあって、ダンスシーンなどの演出は素晴らしいの一言。

「シネマ・イタリアーノ」の心揺さぶるダンサブルなナンバーで、ヴォーグ誌記者・ステファニー役のケイト・ハドソンが披露するパフォーマンスシーンは秀逸。必見である。

「シネマ・イタリアーノ」のダンスシーンをご覧いただけます。

【ストーリー】

1964年、イタリア。世界的に有名な映画監督のグイド・コンティーニは絶望していた。まるでアイデアが浮かばない。脚本が書けない。スタッフはおろかプロデューサーすらタイトル以外は何も知らされていない状況である。

撮影は10日後に控えているが、創造力がいきなり消え失せてしまったのだ。追い詰められたグイドは自分の幻想世界に逃げ出してしまい、自分を愛してくれる女たちに癒やしと慰めを求めた。

 

妻ルイザはいつも通り、優しい言葉でグイドを励ます。愛人カルラも現実を忘れさせてくれる。しかし、グイドの動揺と混乱は収まらず、さらに深く幻想の世界に逃げ込んでいくばかり…

良き理解者である衣装担当のリリーや、グイドの母の助言や警告もグイドの助けにはならない。

そして、モード誌の記者との出会いは事情をますます難しくしていく。そんな折、グイドの映画の成否がかかる女神クラウディアが出演のためパリから戻ってくる。

グイドは大勢の美女に囲まれているが、本当の愛を見つけることは出来ず、葛藤はより深まっていく。

危機的状況の中、グイドの脳裏に浮かぶのは、9歳の頃に出会った娼婦のサラギーナの事だった。イタリア男らしい生き様を教え込んでくれた彼女の言葉を思い返し、追い込まれたグイドが出した答えとは…

 

【インプレッション】

資生堂TSUBAKI(ツバキ)の広告か…出演している女優陣が豪華である。この不景気な世の中で…と、制作費(主にギャラ)を気にする自分自身が少々情けないが、すべて主役級の女優さんをこれだけ贅沢に揃えるなんて、きっと太っ腹のプロデューサーなんだろう。

ほとんどのフェリーニ監督作品が撮影された、ローマ郊外のチネチッタ撮影所でこの撮影が進められたことは、マーシャル監督へのリスペクトの深さの証なのだろう。また、「あなたが出ないのなら、この作品は撮らない」と、ソフィア・ローレンを口説いたという事も、フェリーニ監督への敬意の表れなのかも知れない。

イタリア映画が、世界の頂点に君臨していた時代へのオマージュでもあるはずの作品だが、メインキャストの中にイタリア人はソフィア・ローレンだけといのは、少しばかり寂しい気がする。

出演している女優さんのそれぞれの魅力を上手く引き出しているが、やはり、ソフィア・ローレンの存在感は圧倒的だ。そして、70歳半ばだとは、到底思えない若々しさである。ソフィア・ローレンと同じ1934年生まれのジュディ・デンチは、ジェームズ・ボンドのお堅い上司というイメージが強烈で、衣装デザイナー役に、何となく違和感を感じるのは私だけであろうか。

豪華なセットのダンスシーンなどは、上質のレビューを見ているようで、思わず画面に魅了されてしまう。ただ、この手のシネマミュージカルを観慣れない者にとっては、ストーリー展開と幻想の世界を表現した映像の関連性に少々戸惑ってしまう。

当初、マーシャル監督の「シカゴ」に出演していたキャサリン・セダ・ジョーンズが、クラウディア役で登場する予定だったらしいが、出演シーンの少なさでキャンセルとなり、結局は二コール・キッドマンに決定したというエピソードがあるようだ。

昔から、友人と独断と偏見の妄想キャスティングで盛り上がることが好きだった。この役をこの俳優にしたほうが面白い…この映画を日本人で構成するなら、誰をキャスティングするか…。

これはけっこう楽しいゲームなのである。今回の作品を日本人キャストで制作するなら(ま、ありえないけど…)、誰がピッタリ当てはまるだろうか。

少しばかり、勝手な妄想にお付き合い願いたい。

華やかな女優陣選びに苦労しそうだが、この作品では主人公の男優が鍵を握る。どれだけ愛されていても、その愛を返せない、どこか危なげで脆さを感じさせる天才マエストロ、グイド・コンティーニ役の候補は重要なだけに難しい。

女好きというキーワードですぐに思いつくのは、平成の色男・石田純一。ただ、繊細さや孤独感を表現するには、健康的すぎるイメージが主人公のキャラクターにそぐわない。もう少しくたびれた感じのする哀愁が必要だ。豊川悦司の繊細なアーチストっぽい雰囲気はポインがト高いが、ちょっと格好良すぎるし、若すぎる。

小林薫の枯れた演技は期待大だが、映画監督という設定には多少無理があるかも…。他に、根津甚八、古谷一行、林隆三などの演技派男優も候補に上るが、年齢的にはもう少し若い方がいい。舘ひろし、岩城滉一 、柴田恭平の、女性にもてそうなチョイ悪オヤジトリオも、絵的にはアリかも知れないが、自堕落さのイメージがあまりないので却下する。

悩んだ挙句、最終候補にノミネートされたのが、奥田瑛二。どことなく女性にだらしなさそうで(あくまで勝手なイメージであり、本人がそうであるかどうかは分からない…)、アンニュイな芸術家っぽい雰囲気があり、孤独なのに、その孤独を誰にも理解してもらえない孤独感を上手く表現できそうな気がする。

興行的な観点から考えれば、どんな役でも見事にこなす、役所広司という選択もあるが、日本映画の困ったときの役所広司頼み(ホントにそんな事があるかどうかは知らないが…)という、保守的な色を払拭したい。また、意外なキャスティングとして田村正和も、個人的には面白いと思っている。

次に、献身的な妻・ルイザ役に元宝塚出身の清純派女優、壇れい。

今の彼女に攻撃的な色気は感じられないが、妖艶な一面を引き出すことが出来れば、凛とした淑やかさとの対比が期待できる。同じような感覚で、竹内結子も考えられる。

情熱的な奔放さとガラスのような繊細さを併せ持つ愛人・カルラ役には、モデル出身の佐田真由美。これは、個人的に好き…という身勝手な理由によるものである。

他の候補として、伊藤裕子も考えられる。面白いところでは、柴崎コウ。ただ、少し若すぎるかも…

大御所ソフィア・ローレンが演じた母親役に、岸恵子。彼女の持つ存在感は、きっと作品を引き締めてくれる。グイドの理解者で衣装デザイナー・リリー役には、市原悦子をキャスティングしたい。彼女の独特の空気感が作品にゆとりを与えるような気がする。

「シネマ・イタリアーノ」のダンスシーンで抜群の魅力を発揮した、ヴォーグ誌記者・ステファニー役のケイト・ハドソンに代わる女優を日本人にするなら米倉涼子が適役だ。杉本彩では、セクシーさが勝りすぎ、藤原紀香では、少々色気不足である。

ニコール・キッドマン扮する女優・クラウディア役には、松嶋菜々子、伊藤美咲、長谷川京子あたりが無難なところ。

最後に残った、9歳の監督の記憶に残る娼婦・サラギーナ役には思い切ったキャスティングで、作品の1つの目玉にしたい。

安室奈美恵を起用し、意外性と話題提供で興行収益のアップを計ってみたいものだ。

これだけのキャストを上手く仕切る監督には誰が適任なのか、俳優のキャスティングより難しいが、いずれにしろ、妄想なので、深く考えるのはやめることにする。映画を観るときに、このような遊びをすれば、きっと楽しいはずだ。

豪華なセットを組んだミュージカルシネマ「NINE」は、虚構の世界を存分に堪能させてくれる作品に仕上がっている。

 
キャスト スタッフ
グイド:ダニエル・デイ・ルイス 監督:ロブ・マーシャル
ルイザ:マリオン・コティヤール 製作:ジョン・デルーカ/マーク・プラット/ハーベイ・ワインスタイン
カルラ:ペネロペ・クルス 製作総指揮:ライアン・カバノー/タッカー・トゥーリー他
クラウディア:ニコール・キッドマン 脚本:マイケル・トルキン/アンソニー・ミンゲラ
ステファニー:ケイト・ハドソン 原案:アーサー・コピット
サラギーナ:ファーギー 原作戯曲: マーク・フラッティ
リリー:ジュディ・デンチ 撮影:ディオン・ビーブ
ママ:ソフィア・ローレン 美術: ジョン・マイヤー
  音楽:モーリー・イェストン
  衣装デザイン:コリーン・アトウッド
  装飾:ピーター・ランド
  振付:ジョン・デルーカ/ロブ・マーシャル
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