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監督:ピエール・モレル 製作年:2010年
原案:リュック・ベッソン 上映時間:95分
   
任務のためには手段を選ばない危険な男と、人を撃てない見習い捜査官
二人は暗殺テロ計画を阻止できるのか…
【イントロ】

ハリウッドとヨーロッパの両方のテイストの不思議なブレンドが持ち味の、リュック・ベッソン印のアクション・ムービーの登場。任務のためには手段を選ばない危険な男と、人を撃てない見習い捜査官の凸凹コンビがパリを舞台に大活躍。

原案リュック・ベッソン、監督ピエール・モレル。二人は、「TAXi」「トランスポーター」「96時間」などの作品で、設定の面白さやアクション映画のお約束を無視した驚愕の展開で、全世界に存在を知らしめた名コンビ。

エッフェル搭からファッショナブルな街並み、そして妖しげな裏道まで、パリの魅力のすべてを切り取った撮影は、「96時間」に続いてピエール・モレル監督作品を手掛けるミシェル・アブラモビッチが担当。

この作品に登場するジョン・トラボルタは、スキンヘッドに濃い口ひげ姿というド迫力の風貌。ちなみにこのスキンヘッドは、トラボルタが自身の頭髪をすべて剃り上げて作り出した本物。

トラボルタは、1977年に主演した「サタデー・ナイト・フィーバー」のヒットでスターになり、その後も、「グリース」や「アーバン・カウボーイ」のヒットでさらに人気を高めた。その後、しばらくは低迷期があったが、1994年にクエンティン・タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」のヴィンセント役で復活した。その後の活躍は目覚しく、善悪どちらもこなす名優で、1995年には「ゲット・ショーティ」でゴールデングローブ賞男優賞を受賞。スクリーンでは独特の存在感を示す。今回の作品では、今まで以上のインパクトある凄腕CIA捜査官を演じている。

相棒役の駐仏アメリカ大使館の若手職員ジェームズ・リースに扮するジョナサン・リース=マイヤーズは、美しい青い瞳の持ち主としても有名であり、2005年からヒューゴ・ボスの香水のイメージモデルをつとめ、2006〜2007年には、ヴェルサーチの広告モデルをつとめるほどのアイルランド出身のイケメン俳優である。2007年4月にアルコール中毒の治療のためにリハビリ施設に入所。同年11月18日にはダブリンの空港スタッフに酔っ払って絡み、警察に逮捕された過去もある、少々問題児でもある。「ミッション:インポッシブル3」では、主演のトム・クルーズの仲間の若手エージェントで、ローマでのミッションの鍵を握るハッキングが得意なPCオタクのデクラン役を演じている。

また、リースの婚約者キャロリンには、ジョルジオ アルマーニの新しい香水「アイドル」の国際キャンペーンモデルに起用され、「ヴォーグ」や「エル」の表紙も飾ったポーランドの一流モデル、カシア・スムトゥニアクが抜擢されている。

 
【ストーリー】

パリのアメリカ大使館に勤めるジェームズ・リースには、秘密があった。上司であるベニントン大使はもちろん、美しいフランス人の婚約者キャロリンさえ知らない、もう一つの顔を持っている。それは、ずっと憧れていたCIA捜査官。今はまだ見習いの身だが、いつかは国家の機密に関わるような活躍を夢見ているのだ。

ついに上級レベルの任務を命じられたリース。アメリカから送りこまれたCIA捜査官を空港まで迎えに行くこと。

チャンス到来と喜ぶリースだが、相棒に出会った瞬間に驚愕と不安に変わる。彼の名は、チャーリー・ワックス。上層部も一目置くスゴ腕の特別捜査官だが、スキンヘッドにバイカーのようなファッション、ひたすら我が道を行く予測不可能な行動、全世界を敵にまわすような毒舌など、すべてが常軌を逸していた。空港でのひと悶着もリースの機転で何とか切り抜けることができた。

ワックスのパリでの捜査は、ただ一つ。銃を抜いて自らの手で犯罪者を倒すだけ。表向きは中華料理店を装っているが、実はドラッグ密売組織のアジトに乗り込み、問答無用の銃撃戦を繰り広げるワックス。

彼は密売ルートから、さらなる巨大犯罪組織を洗い出そうとしていた。ドラッグで荒稼ぎした金で爆弾を手に入れ、パリを手始めに世界崩壊を企むテロ組織を追いかけているのだ。

夜が終わり、朝が来てもワックスの追跡は終わらない。パリ中を引きずりまわされて疲労困憊のリースは、早く捜査を終えてキャロリンのもとへ帰りたかった。しかしそんなリースの頭を一瞬で覚醒させる、ある事実が発覚する。ワックスが突き止めたテロ組織のアジトの壁に、隠し撮りしたリースの写真が何枚も貼ってあったのだ。いったい誰が、何のために…

ワックスとリースが出会ってから、24時間が経った。ワックスは26人の犯罪者を始末したが、リースは0。クールな頭脳派の捜査官を目指していたリースは人を殺す気などなかったが、殺らなければ殺られるという場面でも、相手がどんなに凶悪な犯罪者でも、どうしても銃を向けることができなかった。

「きっと、この仕事は僕には向いていない」と、弱音を吐くリースに、「だから俺みたいなやつと一緒に頑張れ」と励ますワックス。繊細で自己中心的なイマ時の若者であるリースを怒鳴り続けたワックスだが、リースの中に愛と正義という、悪と戦える最高の才能を見出していた。

どうやらテロ組織の爆破ターゲットは、パリで開かれる国際サミットらしい…という事実を掴む二人。

大使館員であるリースに接近して、サミットの機密情報をテロ組織に流していた者がいるのだ。続々と到着する各国の要人。果たして、裏切り者は誰なのか…

リースは、引き金を引き、テロ計画を阻止することが出来るのか…

 

【インプレッション】

チェスの名人で数カ国語を駆使する知性派だが、繊細な性格で人を撃ったことがないリース。推理力も腕力も超一流だが、口より先に銃が出るワックス。性格や風貌の違う二人がコンビを組むというパターンはドラマの定番である。

絡んでくるチンピラをぶちのめし、銃口を向ける者には躊躇なくぶっ殺す。この恐ろしく粗野でスゴ腕のワックス。いかつい風貌の男が問答無用の暴走でスクリーン狭しと暴れまわる姿は、なかなか痛快で爽快である。有無を言わせぬ暴力的性向がR15指定になった理由なのか…

無駄をそぎ落としたストーリーと、考える間を与えぬスピーディな展開で一気にエンディングまで駆け抜ける。ワックスがリースを伴って行動していくときの二人の価値観の違いが微笑ましく感じられる。

バズーカを背負ったワックスがアウディの車窓からハコ乗りし、テロリストが運転するボルボに照準を合わせるシーンは、なかなか迫力あり、スピード感が抜群だ。

登場人物たちのフランス人評が皮肉で笑えるシーンが多い。駐仏アメリカ大使が外務大臣について、「2人の秘書と寝ているなんて、さすがにフランス人だな…」とか、空港で拘束されたワックスが警官に対して、「このカエル喰いめ」と扱き下ろしたり…祖国に唾を吐くような亡国ぶりが、フランス人のリュック・ベッソンが制作する映画の真骨頂なのかもしれない。同時に、ワックスのはじけっぷりが、非常識なのか、はたまた単にブチこわすのが快感なのか…他国でやりたい放題をするワックスの行動が、アメリカを象徴しているのか…これまた、ベッソン映画らしい皮肉である。

この作品には、様々な名作映画にまつわるオマージュが込められている。まず「パリより愛をこめて」というタイトルから思い浮かべるのは、007ことジェームズ・ボンドが活躍する映画「007/ロシアより愛をこめて」。一流のエージェントに憧れている主人公の名前が「ジェームズ」だったり、敏腕CIA捜査官ワックスが、ラジオから流れる甘いメロディの歌が大好きだと言うシーン…「ロシアより愛をこめて」を歌ったマット・モンローの代表曲「遙かなる影」を使用している。

また、ワックスがひと仕事終った時に食べる大好物の「ロイヤル・バーガー」にもオマージュがある。トラボルタが完全復活した「パルプ・フィクション」でハンバーガーの呼び名について話すシーンがある。メートル法のフランスでは、ヤード・ポンド法のアメリカのように「パウンド」の単位を使わない。そのため、パリではマクドナルドのチーズ入り「クォーター・パウンダー」のことを「ロイヤル・チーズ」と呼ぶと言って、面白がって話す有名なシーンにひっかけている。

さらに日本でもヒットした「ベスト・キッド」ネタも登場している。「ワックスをかける」と言うワックスに、「それってベスト・キッドのセリフか」と突っ込むリース。オリジナルの「Wax on,wax off 」は、「ベスト・キッド」の中で主人公のダニエルが師匠ミヤギに、右手でワックスを車に塗り、左手で拭き取るという訓練をさせられるシーンの台詞。

ワックスにとっては、自分の名前をひっかけて「ワックスは汚れを落とす」(ワックスが仕事にかかれば、敵を一掃する」)という、お気に入りのフレーズのようである。

また、「スター・トレック」もオマージュの対象になっている。外で子供が遊べないほど危険な地区で育ったと語るリースが、子供のころに外の世界に憧れて夢中だったのは「スター・トレック」だった。好きな登場人物はミスター・スポックだったか、カーク船長だったかと問いかけるワックスに、リースは黒人の美人通信士ウフーラが好きだったと答えるシーンはけっこうマニアックである。

行く先々で銃弾と差別用語を連発しながらティープなパリへ分け入って行く、トラボルタ扮するワックスの強引な行動は痛快であり、何の前触れなく拳銃をぶっ放す姿はある意味潔い。また、ラストには捜査官として少し成長し、一皮剥けたリースの所持品に思わずニヤリとさせられる。なかなか洒落た演出だ。

ジョン・トラボルタは子供の頃から航空会社の操縦士にあこがれていたという大の航空機マニアである。1974年に初めて航空機の操縦資格を取得してから、2002年までの総飛行時間は5000時間を超え、「最初の給料は全て飛行訓練に消えた」と語っている。ボーイング747や707などの大型旅客機を含む9機種の操縦資格を取得しているほか、巨大な滑走路のついた自宅には自家用機として2機のジェット機と数機の軽飛行機がある。

2003年に映画のプロモーションのためにオーストラリアを訪問した際には、保有するボーイング707を自ら操縦したが、空港でハンドリング業務を担当したカンタス航空の社員と意気投合したのがきっかけとなり、カンタス航空の親善大使を務めることになった。

2004年にはカンタス航空とタイアップした「Spirit of Friendship」ツアーにより、所有するボーイング707をカンタス航空の往年の塗装に戻した上、自らの操縦によりニュージーランド・シンガポール・香港・日本・イギリス・イタリア・フランス・ドイツを訪問した。

2010年1月26日、ハイチの地震災害支援のため、妻と一緒に、自らが操縦するボーイング707に、6トンの救援物資や医療薬品と医療スタッフ、新興宗教団体サイエントロジーのボランティアの牧師を乗せて、ハイチまで運んだというエピソードがある。

一風変わったトラボルタの勇姿が堪能できる「パリより愛をこめて」は、怒涛のアクションシーンとユーモア満載の魅力溢れる作品に仕上がっている。

 
キャスト スタッフ
ジョン・トラボルタ 監督:ピエール・モレル
ジョナサン・リース=マイヤーズ 製作総指揮:ビルジニー・ベッソン=シラ
エリック・ゴードン 製作:リュック・ベッソン、インディア・オズボーン
リチャード・ダーデン 脚本:アディ・ハサック
カシア・スムトゥアニク 音楽:デビッド・バックリー
  撮影:ミシェル・アブラモビッチ
  原案:リュック・ベッソン
  原題:From Paris with Love
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