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監督:本広克行 製作年:2010年
製作:亀山千広 上映時間:109分
湾岸署、封鎖されちゃいました。
【イントロ】

後に日本中に大ブームを巻き起こすことになる「踊る大捜査線」は、1997年1月期にフジテレビ系列で放送が開始された。当時は実験枠とも言われた火曜9時にスタートとしたそのドラマは、従来の刑事ドラマとは一線を画し、笑いと涙とともに、警察の組織や警察機構に生きる人々の姿を描き大きな話題を呼んだ。

その後3本のスペシャルドラマを挟んで、映画化された。1998年に公開された劇場版第1弾「踊る大捜査線 THE MOVIE」では、観客動員数700万人、興行収入101億円を記録。当時の日本実写映画興行史上歴代3位という驚異的な成績を残した。

劇場版第2弾「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」は、前作を大幅に上回り、それまで20年間破られることがなかった日本実写映画の動員及び興行収入記録を塗り替え、観客動員数1260万人、興行収入173.5億円を記録し、まさに日本中を踊らせることとなった。

そして、未だに他作品に50億円以上の差をつけたまま、日本実写映画興行収入記録の頂点に君臨し続けている。

続編を望む多くの声に後押しされ製作された「交渉人 真下正義」、「容疑者 室井慎次」は共に大ヒットとなり、映画界に「スピンオフ作品」という新しいジャンルを確立することに成功した。そして、2010年、日本国民が待ち望む「踊る大捜査線」の第3弾が公開された。

係長に昇進した青島や警察庁で順調に出世する室井。そして、相変わらずのすみれや真下やスリーアミーゴス。交渉課課長に昇進した小池の他にも、新たなキャラクターとして、本店(警視庁)と支店(所轄)をつなぐ管理補佐官鳥飼役の小栗旬と、故いかりや長介が演じた人気キャラクター和久さんの甥っ子・和久くんの伊藤淳史が登場する。

そして、女青島として番外編で登場した篠原夏美役の内田有紀も青島の心強い部下としてカムバックしている。

また、過去の犯人総出演の豪華版。まるで同窓会か歌舞伎の顔見世興行のような趣である。ドラマシリーズから全ての本編に登場し、「交渉人 真下正義」にも登場した水野美紀が演じる柏木雪乃は、産休中という設定になっている。余談ながら、水野が今回のキャスティングから外れた理由は、事務所絡みの少々きな臭い大人の事情が関係しているという噂が、巷でちらほら囁かれている…ようだ。内田有紀の起用も、そのあたりの事情が微妙に絡んでいるような…真しやかな裏情報である。

圧倒的な物量作戦と人海戦術、カネと手間を惜しみなく掛けた壮大な映像と次から次へと迫る危機、そして階級と命令系統が複雑に入り組んだ人間関係の中で繰り広げられる葛藤とジレンマ。2時間余りの上映時間に収まりきれないほどの雑多な要素が凝縮された作品である。今回のテーマは「生と死」「もう一度生きる」。

2004年に逝去したいかりや長介が演じた和久平八郎は、この作品では病死した設定となっており、甥っ子に当たる和久伸次郎が持参した、生前の和久さんの名言を記した手帳から懐かしいフレーズが多々披露されている。

前作が「封鎖せよ」だっただけに、今回は「開放せよ」…って。この安直さが「踊る〜」のゆるさでもあり、良さでもある。

 
【ストーリー&インプレッション】

湾岸署を襲った最悪の猟奇的連続殺人事件から7年。お台場はさらなる変貌を遂げていた。外国からの要人が降り立つ空港が近く、高速道路や変電所などのライフラインもあるお台場はテロリストの格好の標的になっていた。

その対策のため、湾岸署は高度なセキュリティシステムが導入された新湾岸署へ移転することとなった…

2010年3月28日。3日後の新湾岸署の開署にむけて、警視庁湾岸署は引越しの準備で騒然となっていた。

昇進試験に合格し、晴れて警部補になった青島俊作は、湾岸署刑事課強行犯係の係長となり、同時に新湾岸署への引越し本部長も努めていたが、同時に健康診断の結果報告を病院へ直接、聞きにくるようにと言われていた。

引越しの混乱の最中、管内で金庫破り事件とバスジャック事件が立て続けに発生。

青島や恩田すみれらがそれぞれ現場に駆けつけるが、どちらの事件とも直接の被害は無く、青島たちは困惑する。その矢先、新湾岸署の倉庫から拳銃が3丁盗まれるという事件が発生。神田署長らスリーアミーゴスがなんとか隠し通そうとするも、盗難についてなぜかネットの掲示板で取り上げられたため、事件は発覚。スリーアミーゴスは窮地に立たされる。

一方で、健康診断の結果報告を一向に聞きに来ない青島に業を煮やしたドクターは、湾岸署に直接やってきて青島に対して胸部に腫瘍の可能性があることを伝える。暗にガンの可能性を示唆されて真っ青になる青島。やがて、管内で射殺体が発見され、凶器に盗まれた拳銃のうちの一つが使用されていたことが判明する。新湾岸署に殺人事件の捜査本部が設置され、青島は所轄と本庁の調整役の鳥飼管理補佐官とコンビを組むことに。

勝手な行動で不祥事を起こした真下正義のかわりに交渉課課長となった交渉人小池は、被害者がプレイしていたオンラインゲームを通じて犯人に接触。そこで犯人は、かつて青島が逮捕した犯罪者9名を開放させることを要求。それが飲めなければ盗んだ拳銃でさらなる殺人を行うと宣言する。

湾岸署に、またしても最悪の3日間が訪れる。犯人開放の決断を迫られたのは、出世し、警察庁長官官房審議官となっていた室井慎次。犯人の解放を呑めぬとする室井に警察庁と法務省のお偉方たちは「テロにおいて超法規措置を敷いた際の国民のコンセンサスのテストケースが欲しい」と詰め寄る。

捜査が犯人に迫る中、犯人側が爆弾を製作していたことが判明する。さらに犯人たちは金庫破り事件に用いたクラック技術や湾岸署引越のドサクサに紛れてすりかえた書類による署員たちへの誘導で新湾岸署の非常体制を逆用し、署員たちを閉じ込めてしまう。さらに湾岸署内に毒ガスを散布すると宣告した。

刻一刻と迫る最悪へのタイムリミット。青島の「命の時間」は本当に限られてしまうのか…犯罪者の解放はあるのか…ってな感じのあらすじだが、いろんな事件のてんこ盛りに、かなりバタバタ感がある。

今回の作品の目玉キャラとして、小栗旬が演じる本店と支店を結ぶ管理補佐官という役どころは、ひじょうに興味深い設定である。

ここからは、あくまで巷の噂レベルの話だけに、どこまで信憑性があるか分からない。ま、話半分で…

前回の「踊る〜2」から7年ぶりにやっと公開までこぎつけたのは、演技論で激突した織田と柳葉の確執が氷解くしたためといわれている。また、「踊る〜3」を撮るにあたり、和久さんの甥っ子、和久伸次郎を登場させることになったのも、織田の意向を汲んだためだと言われている。

当初、小栗サイドに伸次郎役のオファーがあり、快諾後に急遽、警視庁捜査1課管理補佐官の若手エリート官僚という役柄への変更が伝えられた。

納得のいかない小栗サイドは理由を尋ねたところ、織田から伊藤淳史を重要な役で入れてくれとの圧力があったことを知る。

去年公開された織田の主演映画「アマルフィ 女神の報酬」に伊藤は出演しており、織田から演技力を高く評価されたのが今回のキャスティングになったようである。この話にぶち切れた小栗だが、彼の監督作品の製作にはフジテレビに大きな借りがあり、小栗サイドも、この変更を断るわけにはいかなかったようだ。ま、これも大人の事情ってやつなのだろう。

本店と支店の両方の顔を立てながら事を思うように運ぶ、この頭脳派の役をもっと掘り下げれば、スピンオフ作品として新しい展開が期待できるかも知れないが、上層部と現場の思惑の違いと現場への冷遇が「踊る」シリーズの面白いところである以上、上手く調整されると話の盛り上がりに欠けてしまうというマイナス面も否めない。

実際には必要なポジションかも知れないが、映画の中ではこの役柄はいかがなものか…という気がしないでもない。

湾岸署のセキュリティレベルは何とも情けない。犯人グループがネットゲーム中毒のコンピューターオタクで仲間もネットで募ったり、ネットカフェがアジトだったりするなど、いかにも安易な設定が少々残念である。特殊な訓練を受けているプロでもない普通の若者たちが、引っ越し業者を装って警察のトップシークレットはずの警備情報を盗み出したり、プログラムを書き換えたり、さらに爆弾の罠まで仕掛ける。突っ込みどころは相変わらず満載である。

新湾岸署に閉じ込められた仲間たちを救うために、青島は堅牢なシャッターをまったく歯が立たないのは分かっているのに木の看板で打ち破ろうとする。その姿は、警察の硬直した縦社会に風穴を開けたいという彼の理想を具現化する熱い演出なのは理解できるが、少しばかりやり過ぎ感がある。ま、この「踊る〜」シリーズのテーマは、現場を這いずりまわる所轄の刑事たちの働きがもう少し報われる警察組織を実現したい…に尽きるだけに、このような演出も仕方ない気もする。

今回の作品のオチはユースケ・サンタマリア扮する真下正義の存在。「あ〜なるほどね…」というラストシーンは観てのお楽しみ。また、中国から研修に来ている王明才も、拍手喝采の大活躍が用意されている。

前作を超える作品と最初から期待されており、ある意味ヒットを義務付けられているだけに製作サイドの意気込みは十分感じられるが、豪華なキャスティングに頼ってしまったようなところがあり、もう少し脚本の完成度が望まれる。誰がどんなシーンに登場するか…観ている分には面白いのだが、ストーリー的には緩急があまりなく平板な印象である。

だが、やはり国民的娯楽映画としては思いっきり楽しめる映画には間違いない。最近の傾向かも知れないが、エンドロールの途中で帰らないように、最後の最後までスクリーンを見ていて欲しい。

そして、もうお分かりだと思うが、タイトルの「ヤツらを解放せよ」の「ヤツら」とは、これまでの犯人のことを示している…名セリフを生むのがこのシリーズのお約束だが、今回のフレーズは「俺には部下はいない。いるのは仲間だけだ」な〜んてな…

 

キャスト スタッフ
青島俊作:織田裕二 監督:本広克行
恩田すみれ:深津絵里 製作:亀山千広
真下正義:ユースケ・サンタマリア 脚本:君塚良一
和久伸次郎:伊藤淳史 音楽:菅野祐悟
篠原夏美:内田有紀 撮影:川越一成
小池茂:小泉孝太郎 編集:田口拓也
神田署長:北村総一朗 美術監督:梅田正則
袴田健吾:小野武彦 美術デザイン:木陽次
秋山副署長:斉藤暁 録音:加来昭彦
魚住二郎:佐戸井けん太 照明:加瀬弘行
中西修:小林すすむ VFXスーパーバイザー:石井教雄
緒方薫:甲本雅裕 選曲:藤村義孝
森下孝治:遠山俊也 音響効果:大河原将
栗山孝治:川野直輝 キャスティング:吉川威史
王明才:滝藤賢一 監督補:松川嵩史
木島丈一郎:寺島進 制作担当:加藤誠 巣立恭平
爆発物処理班班長:松重豊 脚本協力:金沢達也
草壁中隊長:高杉亘 プロデューサー:臼井裕詞 安藤親広 村上公一
鳥飼誠一:小栗旬 アソシエイトプロデューサー:瀬田裕幸 上原寿一
室井慎次:柳葉敏郎  
リポーター:皆藤愛子  
須川圭一:森廉 ゲームセンター窃盗事件で補導。(第1話)
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野口達夫:伊集院光 ストーカーで逮捕(第5話)、強盗殺人で逮捕(『弁護士 灰島秀樹』)
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