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イントロダクション
CINEMA Oh! PLEASE Top
  製作年:2010年
監督:フィリップ・ノイス 上映時間:100分
あなたは見抜けますか?彼女は、一体、何者なのか?
最後の最後まで、あなたの予想は裏切られる!
孤高のヒロイン、アンジーのリアルなアクションが炸裂。
【イントロ】

アンジェリーナ・ジョリーという女優は、エージェントのように、ある使命を持った強い女性の役がよく似合う。

アカデミー助演女優賞を受賞して、ブレイクのきっかけとなった「17歳のカルテ」でも、アンジーが演じたのは、自分が納得できない束縛には全身全霊で抵抗し、精神病院に入れられても自分を曲げない少女の役だった。逆境の中で不敵な微笑みを浮かべるとき、アンジーの魅力は輝きを増す。

その後、アンジーは優秀な女性エージェント役を演じることが多い。シリアルキラーを追う「ボーン・コレクター」の分析力抜群の巡査アメリア・ドナヒー、「テイキング・ライブス」のクールなFBI心理分析官イリアナ・スコット、「Mr.&Mrs.スミス」の夫と激闘する暗殺エージェント、ジェーン・スミス、「ウォンテッド」の寡黙な凄腕スナイパー、フォックスと、数々のエージェント役を魅力的に演じている。

そんなアンジーが演じる女性エージェントの最新版が、今回のCIA分析官イヴリン・ソルトだ。今回、アンジーが演じるのCIA分析官は、これまでのような強さと美しさだけではなく、大きな「謎」をも備えている。

アンジェリーナ・ジョリーの父は、スロバキアおよびドイツ系アメリカ人俳優のジョン・ヴォイト。母はフランス系カナダ人とイロコイ族の血をひく女優のマルシェリーニ・ベルトラン。アンジーの女優としての評価を決定付けたのは1998年放映のテレビ映画「ジーア/悲劇のスーパーモデル」での演技である。エイズとドラッグにより短い生涯を終えた実在のモデル、ジア・キャランジを演じたアンジーは、この作品で数多くの賞とノミネートを受けている。

2000年にヒロイン役として出演した、ニコラス・ケイジ主演の「60セカンズ」が興行的に大成功を収めると、翌2001年に出演した人気テレビゲーム「トゥームレイダー」の実写化作品で、過酷なトレーニングで武道を習得した末に主人公のララ・クロフトを演じ、アンジーはクロフトを演じるために生まれてきた…と、評されるほど絶賛を博し、一躍世界的な人気を獲得した。その後、「Mr.&Mrs.スミス」で記録的な興行収入をあげるなど、30代前半にしてアメリカでもトップクラスのマネーメイキングスターとして活躍を続けている。

2001年頃から本格的に慈善活動を始め、現在では国連難民高等弁務官事務所の親善大使も務めている。

かねてから激ヤセぶりがゴシップ欄をにぎわせていたアンジーだが、実は「ソルト」のための役づくりだったのだ。身体能力に優れた女スパイを演じる上で、肉体改造は必要不可欠。余分な肉をそぎ落としたアンジーは、極限まで動けるように身体作りを図ったのである。

当初、「ソルト」の主人公は、トム・クルーズがキャスティングされていたが、彼にはすでに「ミッション:インポッシブル」というスパイ映画の代表作があったため降板。そこで主演が男性から女性へと変更し、アンジーに決定したという経緯がある。しかし、脚本は同じで、役名を「エドウィン」から「イヴリン」に変えただけ。アンジーは、クルーズが演じるはずだった過激なアクションに挑戦。徹底したトレーニングで身体を絞り込み、自分自身でアクションを演じることにこだわった。

アンジーのこの挑戦の背後には、フィリップ・ノイス監督との信頼関係が大きい。ノイス監督は、デンゼル・ワシントンを主演にベストセラー小説を映画化したサスペンス大作「ボーン・コレクター」のヒロイン役に、ブレイク前だったアンジーを大抜擢した監督である。つまり、アンジーの魅力をいち早く見抜いた監督なのである。そんな2人が久々に2度目のタッグを組む「ソルト」には、2人の互いへの信頼と作品に賭ける情熱がたっぷり詰まっている。

 
【ストーリー&インプレッション】

冒頭でいきなり北朝鮮兵士の水攻めリンチを受けて泡を吹くという拷問シーンから始まり、これからの展開が期待されるオープニングである。

CIAロシア担当部の優秀な局員イヴリン・ソルトは、直属上司で任務上の恩義もあるウィンターとともに、ロシアからの緊急亡命者の尋問をすることになった。オルロフはロシア大統領の近くにいた大物であったが、各種スキャンの結果、嘘を言っていないことが証明された。

最後にオルロフが発した証言が、二人と局内に衝撃を与える。「わがロシアの誇る優秀なスパイがすでにアメリカに潜入している。彼女の名はソルトだ。」と…。サービス残業のつもりで気軽に引き受けた尋問が、ソルトをいきなり大ピンチに陥れる。この証言の瞬間、仲間だった周りのCIAスタッフの目つきが豹変する。盟友のウィンターだけは彼女の味方をしてくれたが、それでも彼の表情から狼狽の色は隠せない。さあどうする、すぐに逃げなければスパイ扱いされ大変なことになる…

そこから観客への吸引力は強烈だ。思わぬ運命の渦に呑みこまれたソルトが、ストッキングを脱いで監視カメラを覆い、消火器を改造して迫撃砲を作り、武装集団が固めるCIAのビルから単身、脱出する。さらにはワシントンの町を舞台に、斬新でド派手なカーチェイスを繰り広げる。その緊迫感たるや半端ではない。

周囲の小道具を利用しながら逃げる展開は、同じく「逃げるCIAエージェント」ジェイソン・ボーンの女性版のようで面白い。追いつめられたソルトが橋から高速道路へと降下してトラックの積荷に落下し、タンクローリーやトラックに飛び移ったり、捕らえられてパトカーに乗せられたソルトが、警官に攻撃を加えてから始まるパトカーのクラッシュシーン。パワフル感に溢れ、見応えあるシーンの連続に息つく暇もない。おまけにパトカーがダイブして停車中のタクシー数台に突っ込んでしまうという、過激なアクション好きには堪らないサービス精神旺盛な演出に感動する。

アンジーのコスプレ?にも注目だ。金髪から黒髪へ。タイトなグレーのスーツからクールな黒装束、ファー付きのマントへ。瞳の色も変え、ついには顔にラバーを張り付けた男装の変装まで、まさに七変化である。

ロシアのスパイという嫌疑をかけられたソルトは、いかに窮地を脱するか…二転三転するストーリー展開にワクワクしながらアンジーの魅力に酔う。これが、正しい鑑賞法なのだ。「トゥームレイダー」のララ・クロフトじゃあるまいし、超人的なソルトの強さは一体何?などとは、決して考えてはいけない。同じ諜報部員を瞬殺するソルトの凄腕を訝ってはいけないのだ。

特殊機関で教育を受け、何十年も敵国に潜伏して要人暗殺の機会を待つという背景は、まるっきり絵空事ではないようだ。つい最近、10年以上もアメリカに潜伏していた元KGBのスパイ10人が一斉に逮捕されるという、まるで映画のような事件が起こったばかりである。

完全に信頼していた人物が実は…というプロットは、スパイものでは定番。一見荒唐無稽なストーリーのように思える作品が、計らずも現実とリンクしてしまうところが、映画の面白さであり不確定要素なのだろう。考えようによれば、ひじょうにタイムリーな作品なのかも知れない。逮捕されたスパイの1人は、アンジー顔負けの「美しすぎるスパイ」だったのも面白い…

また、最近の映画の傾向として、続編を期待させるようなエンディングが多い。ご多分に漏れず、この作品も「おっ、次があるな!」と、予感するようなシーンでエンディングを迎える。ストーリーもアクションもスケールアップし、アンジー姉さんの代表作になるようなシリーズに発展することを願っている。

かつて、シガニー・ウィーバーやジーナ・デイビス、そして、ハル・ベリーあたりが果敢に挑戦して撤退を余儀なくされた、男社会のハリウッドで最も実り少ない「アクション女優」というジャンルを、唯一開拓し続けているアンジェリーナ・ジョリー。

これからもセクシーで華やかなアンジー姉さんの艶姿をスクリーンで観続けたいものだ。

 

キャスト スタッフ
イヴリン・ソルト: アンジェリーナ・ジョリー 監督:フィリップ・ノイス
ウィンター: リーヴ・シュレイバー 製作:ロレンツォ・ディボナヴェンチュラ/サニル・パーカシュ
ピーボディ: キウェテル・イジョフォー 脚本:カート・ウィマー/ブライアン・ヘルゲランド
ダニエル・オルブリフスキー 音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
アンドレ・ブラウアー 撮影:ロバート・エルスウィット
  編集:スチュアート・ベアード
  製作総指揮:リック・キドニー/マーク・ヴァーラディアン
   
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