相棒 劇場版U
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ハリー・ポッターと死の秘宝
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踊る大捜査線 THE MOVIE 3
ヤツらを解放せよ!
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第9地区
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マイレージ・マイライフ
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ショーロック・ホームズ
日本アカデミー賞
パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々
サロゲート
バレンタインデー
インビクタス/負けざる者たち
2009年の総括
イントロダクション
CINEMA Oh! PLEASE Top
監督:ロバート・ルケティック 製作年:2010年
原案・脚本:ボブ・デローザ 上映時間:101分
恋は撃たれるほど強くなる…
【イントロ】

甘いマスクと見事な肉体美のイケメン男優のアシュトン・カッチャーは、女優デミ・ムーアの16歳下亭主としても有名。また、今年公開された豪華俳優陣で話題の恋愛オムニバス映画「バレンタインデー」で、一緒に暮らす恋人に、朝一番でプロポーズをする花屋を営む男を熱演していたことは記憶に新しいところである。今回の作品では、殺しも平気の凄腕CIA局員が、愛のためにその職を辞した男をスマートに演じている。

そんな彼の過去を何も知らずに結婚する裕福な家庭のお嬢様ジェンをコミカルに演じるのは、ドラマ「グレイズアナトミー」でブレイクしたキャサリン・ハイグル。ヒロインがタイミング良く(悪く…)その場に居合わせ、トラブルに巻き込まれるというパターンは、ハリウッドが昔から得意とする美男美女によるスラップスティック・コメディーの王道であり、最近ではトム・クルーズとキャサリン・ディアスの「ナイト&デイ」が思い出される。

2作品とも設定に似通っている点が多く、タイトルの語感からして同じような雰囲気がある。また、大まかな要素が「アクション」と「ラブ」と「コメディ」であり、登場人物も年齢こそ違うもののイケメンの男とキュートな女である。そして、アメリカではどちらの作品も6月に公開されている。相当なまでのカブリなのだ。

ただ、「ナイト&デイ」のカップルはあくまでも「通りすがり」の段階からゴタゴタが始まって、最後も「恋人同士」のレベルで終わっていたのに対し、「キス&キル」では、結婚して家庭を築き、さらには作中では「おめでた」のエピソードまであるところや、世界中を股にかけ、ド派手なアクションが盛りだくさんの「ナイト&デイ」に比べて、「キス&キル」はフランスとアメリカの2カ国で、ほんのちょい派手めなアクションシーンという内容で、そのスケール感は何となく30%OFFといった感が否めない。

余談ながら、約97億円の制作費の「ナイト&デイ」に比べ、約62億円の「キス&キル」。制作費に関しても約30%OFFという納得いく格差があるようだ。

ま、ラブコメとアクションがほどよくミックスされ、最後にはハッピーエンドというお約束がしっかり守られるため、安心して楽しめる作品に仕上がっている。ヒロインがもう少しビッグネームの方が、映画的には成功したかもしれないが、キャサリン・ハイグルがなかなか可愛く魅力的である。肉体的魅力が前に出過ぎず、ほどよいお惚けぶりと清潔感が上手く溶け合っているようだ。


また、アシュトン・カッチャーとのバランスもよく、ギャラの差はあるかもしれないが、トム&キャメロンの「ナイト&デイ」カップルに対抗できるパフォーマンスを発揮している。ただ、ジェンとの出会いのシーンで、いきなりアシュトン・カッチャーの逞しい肉体が披露される演出は、若い女性観客を意識したものとしか思えず、男性目線からは少々こっ恥ずかしい…。

アシュトンファンへのサービスカットなのが見え見えだ。しかし、あのほどよいマッチョな感じの肉体は素晴らしい…デミ・ムーアが惚れるのも納得である。


ジェンの父親役のトム・セレックは、1980年代にヒットしたアメリカTVドラマ「私立探偵マグナム」の主演で人気を博した俳優である。

その後、映画「未来警察」「スリーメン&ベビー」などに主演。「ミスター・ベースボール」では、外国人助っ人選手役で高倉健と共演している。なお、ハリソン・フォードが演じたインディ・ジョーンズは、最初のスティーブン・スピルバーグの構想ではトム・セレックであったが、オファーがあった頃にちょうど「私立探偵マグナム」の撮影が入っており、やむなく断念したというエピソードが残っている。

余談ながら、「私立探偵マグナム」は、ハワイ・オアフ島で私立探偵業を営むトーマス・サリバン・マグナムが、戦友のTC、リックとともにオアフ島で起こる事件に体当たりで挑むドラマである。世界的大富豪で有名作家のロビン・マスターズからオアフ島の別荘のセキュリティと引き換えに居候状態を決め込み、マスターズ所有の赤いフェラーリ308を勝手に「愛車」として乗り回すマグナムの姿が、妙に懐かしく思える。

監督は「キューティ・ブロンド」や「ラスベガスをぶっつぶせ」などでヒットを飛ばしたロバート・ルケティック。15歳で映画を製作し、ATOM Film Festivalの最高賞を受賞する。ルケティックは、メルボルンの名門映画学校「Victorian College of the Arts」を卒業しており、短編映画「Titsiana Booberini」がサンダンス映画祭などで上映され、いくつかの賞を受賞した。これによりハリウッドに招かれることになった、まだ37歳のイケメン監督である。なお、ルケティック監督作の「男と女の不都合な真実」でも、キャサリン・ハイグルが出演している。監督お気に入りの女優さんかも…

ラブコメという人気ジャンルの世代交代を感じさせる作品であり、デートで鑑賞する映画として、ライト感覚でお気楽に楽しめる作品に仕上がっている。肩の力を抜いて、アシュトン・カッチャーのボディとキャサリン・ハイグルのキュートさと素晴らしいバストを堪能しよう。

 
【ストーリー&インプレッション】

彼氏にフラれ、傷心のまま家族との旅行に来ていたジェンは、旅先のニースで理想のイケメン、スペンサーと「運命の出会い」を果たし、2人はたちまち恋に落ちる。両親そっちのけでバラ色の日々を過ごす2人。しかし、スペンサーにはジェンに言えない秘密があった…。スペンサーはCIAの凄腕スパイで、ターゲットを殺す為、このニースに来ていたのだ。しかし、かねてから「普通の生活」に憧れていたスペンサーは、このミッションを最後に引退し、ジェンとの結婚を決意する。だが、組織はそれを簡単には許さなかった…。


その後、スペンサーは自身の素性を隠したまま、ジェンの両親を説得し無事結婚する。3年後、2人は家庭と新たな仕事を持ち、アメリカの郊外で順調な結婚生活を送っていた。そのスペンサーに、かつての職場であったCIAの元上司から、指定の場所に今日中に来るようにとの連絡が入る。

折りしもその日はスペンサーの誕生日で、自宅でパーティが行われることになっていたため、スペンサーは連絡を無視してパーティに出席する。その翌日、パーティの中で眠りこけ、そのままスペンサーの自宅で一晩を過ごしていたスペンサーの仕事仲間が、突然スペンサーを殺すべく戦闘用ナイフを振り回し襲い掛かってくる。


同僚の話すところによると、スペンサーの命には懸賞金2000万ドルが懸けられているとのこと。自宅をぶち壊しながら派手なアクションが繰り広げられる中、タイミング悪くその場に居合わせてしまったジェンは、否応なくトラブルに巻き込まれていく…。

と、こんな感じでストーリーは展開する。

冒頭の舞台は南仏ニース。海岸沿いの道路を赤いフェラーリーが疾走する…。よくあるパターンだが、導入部分としては、華やかで心がときめき、期待感充分のシーンである。キレイな景色と高級スポーツカーはよく似合う。美男美女の偶然の出会い。ゴージャスな雰囲気とテンポ良いストーリー展開が、観るものを夢の世界へ誘ってくれる。

しかし、アメリカに舞台が移ってからは少々ニュアンスが違ってくる。妙に現実感溢れる庶民的テイストなのである。そして、なぜ引退してから3年後に襲われなければならないのか…また、2000万ドルの懸賞金が懸かっている理由も分からないのだ。

ま、百歩譲って、何か特別な理由があるとしよう。しかし、隣人や職場の同僚が襲ってくるという設定はいかがなものか…これまた、その設定も大目に見よう。そんな荒唐無稽の展開なのに、変に生臭くリアリティ追求型の映像演出が違和感を感じてしまうのだ。

この作品の性格上、シリアスなアクションを求めていないので、襲撃シーンに必死さは必要ないように思われる。スマートさとスピード感があれば、この作品の魅力は倍増する…はず。全体的に軽〜い感覚で押し通してくれた方が、バランスのよい作品になったような気がして残念でならない。前半の「カッコよさ」や「楽しさ」や「ゴージャス感」が印象的だっただけに、後半があまりにも「しょぼく」感じられる。アクションシーンやカーチェイスなどは、けっこう本格的なのだが、作品のイメージと食い違っているのだ。

なかなか親離れできず、おっとりとした性格のジェンが、銃を手にした途端に意外にもイキイキとする豹変ぶりは愉快だが、残念ながら「ナイト&デイ」でも同様の設定だけに二番煎じの感が否めない。

ただ、相手の本当の姿を知っても愛し続けることができるか?という、案外マジメなテーマも含まれており、さらに、スパイという非日常の世界で生きてきた男がパパになると知り、うろたえるなど、ラブコメの定番ネタはしっかりと押さえられている。


いろんな伏線が張られているようなのだが、あまり生かされていない…というか、「ほぉ〜、なるほど」ってな感じのものではなく、ま、「ふ〜ん」という程度である。

脚本や演出に多少の問題はあるが、文句をつけるレベルではなく、「こうであったらなぁ〜」という小さな願望が芽生えるくらいで、基本的には面白い作品である。旬の俳優と渋い役者が上手く咬み合い、シナジー効果を生んでいる。この手のスラップスティック・コメディーはハリウッド映画の十八番であり、なかなか邦画では味わえないものである。

 

キャスト スタッフ
スペンサー・エイムス:アシュトン・カッチャー 監督:ロバート・ルケティック
ジェン・コーンフェルド:キャサリン・ハイグル 製作総指揮:チャド・マーティング/クリストファー・プラット他
ミセス・コーンフェルド:キャサリン・オハラ 製作:アシュトン・カッチャー/マイク・カーツ/スコット・アヴァーサ他
ミスター・コーンフェルド:トム・セレック 脚本:ボブ・デローザ/テッド・グリフィン
ヴィヴィアン:キャサリン・ウィニック 音楽:ロルフ・ケント
オリビア:リサ・アン・ウォルター 撮影:ラッセル・カーペンター
クリステン:ケイシー・ウィルソン 編集:リチャード・フランシス・ブルース
マック:ケヴィン・サスマン 音楽監修:トレイシー・マクナイト
リリー:アレックス・ボースタイン 衣装デザイン:ヨハンナ・アルガン
ヘンリー:ロブ・リグル プロダクションデザイン:ミッシー・スチュワート
ホルブルック:マーティン・マル  
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