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2010年度のバックナンバー
監督:トニー・スコット 製作年:2010年
脚本:マーク・ボンバック 上映時間:99分
この映画は<真実>から生まれた。
【イントロ】

この作品のベースとなった実話は、2001年5月15日のオハイオ州で生まれた。鉄道貨物輸送会社CSX社の47両編成の貨物列車Q88号が、運転士のブレーキ操作ミスで動き出し、午後0時35分に暴走を始めたのだ。Q88号には、空気に触れると爆発性混合ガスに変化する可能性がある液状フェノールという物質が大量に積まれており、このまま減速せずに列車が走り続けると15,000人の住民が暮らすケントン市の急カーブで転覆し、大爆発を起こすとみなされた。いち早く暴走を知らされたベテラン機関士らが、その大惨事を阻止するために立ち上がった。

「アンストッパブル」は、これで通算5回目となるトニー・スコット監督とデンゼル・ワシントンのコラボレーションにより、素晴らしい作品に仕上がっている。

この映画の制作に関してはかなり紆余曲折があったようで、2007年6月、20世紀フォックスはマーティン・キャンベルを本作の監督にするべく交渉していたが、結局2009年3月までにトニー・スコットが務めることが話は決まった。同年の4月には、デンゼル・ワシントンと「スター・トレック」で好演したクリス・パインの参加が決まり、2011年公開を目指して製作準備が開始された。

しかし、2009年7月に公開された、トニー・スコット監督、デンゼル・ワシントン主演の「サブウェイ123 激突」の興行成績低迷により「アンストッパブル」の資金調達が困難となり、製作が一時ストップした。これに伴い、20世紀フォックス側は製作費を1億ドルから9000万ドルに、スコットの監督料を900万ドルから600万ドル、ワシントンの出演料を2000万ドルから1600万ドルまで下げようとし、これに反対したワシントンは7月17日までにプロジェクトから離脱した。その後、フォックスとスコットとワシントンで協議が行われ、ワシントンは復帰し、同年秋の撮影開始に向けて製作準備が再開されたという経緯がある。

撮影は2009年8月31日に開始され、ペンシルベニア州やオハイオ州で行われた。なお、暴走列車の機関車はカナダ太平洋鉄道からリースした「GE AC4400CW型」、また、救援用機関車には「EMD SD40-2型」がそれぞれ使用されている。

登場人物の紹介

フランク・バーンズ

今作品の主人公。ペンシルバニア州ブリュースターのミンゴ操車場に勤める機関士。勤続28年の大ベテラン。この日初めて組んだ新米車掌のウィルと共に旧式機関車1206号に乗り込み、スタントン市から貨物列車を別の街に運ぶ途中、事件に巻き込まれる。会社からは777号の停止作戦には手を出すなと命令されるが、30年近い勤務経験で培われた知識と勘から、停止作戦の成否は絶望的と判断し、777号を停止させるべくウィルと共に1206号で後を追う。

会社からは早期強制退職を宣告されており、3週間後にはクビが言い渡される予定だった。また、数年前に妻と死別しており、19歳と18歳の娘の三人暮らし。

ウィル・コルソン

もう一人の主人公。配属されて4ヶ月の新米車掌。フランクと共に1206号で仕事中、偶然事件に巻き込まれる。新米でありながら鉄道一家の出身ゆえに優遇されていると周囲からは見なされており、大ベテランでありながら会社から退職を宣告されたフランクとは序盤から何かと口論になる。

さらに新米ゆえにミスを連発し、家庭の問題からくる苛立ちもあり、険悪な雰囲気にまで発展。フランクが777号の後を追おうとした時も「自殺行為だ」と猛反対するが、彼から会社の行っている777号を停止作戦が絶望的なことと、その場合、故郷であり、家族の住むスタントンの町が大惨事に見舞われるであろう事を聞かされ、意を決して会社からの命令を無視してフランクと共に777号の追跡を開始する。妻ダーシーとの間で生じた些細な誤解が元で現在は妻子と別居状態であり、兄の元に身を寄せている。

コニー・フーバー

フラー操車場で操車場長を勤める女性。デューイとギリースから777号の無人発車の報せを受けた際、彼らの報告から777号は緩やかに惰行していると判断し、デューイとギリースに追跡を、同僚のネッドに先回りとポイントの切り替えを指示するも、後に彼らの報告から777号は猛スピードで力行している事が判明。さらに同車には19万リットルのディーゼル燃料と発火性の強い有毒物質が大量に積まれていることも判り、史上最悪の貨物列車暴走事故が起こっていると判断。

州警察や鉄道会社に通報して事態回復に奔走する。若輩ながら、操車場長としては極めて有能で、早くから777号を停車させることは不可能に近いと判断。人気の無い農地で脱線させる事を運行部長のガルビンに提案するが一蹴され(後に脱線作戦は実行されたが失敗した)、停止作戦も失敗する。

万策尽きたかと思われた最中、フランクとウィルが777号を追跡している事を知り、クビを覚悟で会社の命令を無視し、彼らに希望を託す。

ガルビン
鉄道会社の運行部長。コニーの通報で777号の暴走を知り、停止作戦を立案する。基本的に人命よりも会社の損失を最小限に止めることを優先しており、暴走する777号の前に別の機関車を回り込ませ、意図的に追突させ、減速させた隙にヘリコプターを使って777号に人を乗り込ませるという、無謀ともいえる作戦を実行させるも、失敗した上に死傷者まで出してしまう。さらにコニーの脱線案を一蹴しておきながら、彼女に無断で実行(それも街の郊外で)したり、777号を追跡するフランクとウィルを、会社の損失が拡大する、と怒鳴り散らすなど、極めて傲慢な性格。

デューイ
フラー操車場に勤める運転士。サボり癖がある上、普段から仕事態度が不真面目で、相棒のギリース共々周囲からは問題児扱いされている。特にネッドとは仲が悪い。777号を移動させる際、エアーブレーキが外れていると判っていながら発車させ、さらにギリースの制止を無視して列車が動いている状態で運転席から離れ、おまけにブレーキ操作を誤り、777号の暴走を引き起こした張本人となってしまう。

ネッド・オールダム
フラー操車場に勤める溶接工。デューイ、ギリースとは仲が悪い。コニーから777号暴走の知らせとポイント切り替えの指示を受け、先回りをするが、切り替えポイントに到着した時にはすでに列車は通過しており、さらにデューイたちの口から777号が力行状態で暴走していると知り、自身の車で追跡する。

 
【ストーリー&インプレッション】

ペンシルバニア州の操車場。ベテラン機関士のフランク・バーンズと若い車掌のウィル・コルソンが初めて顔を合わせる。しかし、年齢も家庭環境も異なる2人の間には大きな溝があり、ぎこちない雰囲気のまま機関車1206号へと乗り込むことに…1人はリストラされることが決まっているベテラン、もう1人はそんなベテランを切ることで採用された新人なのだ。

やがて、2人の耳に貨物列車777号がトラブルを起こしたという情報が飛び込んでくる。ペンシルバニア州の操車場で運転士がブレーキを掛け損なった最新鋭の貨物列車777号が無人で走り出し、時速100km以上の暴走を始めたのだ。

しかも、この39両編成の列車は全長800mの威容を誇り、大量の有毒化学物質と19万リットルのディーゼル燃料を搭載していることが判明。一つの街を壊滅させるだけの威力を持った軍事ミサイル級同然の777号は、容赦なく人口密集地域に向かって爆走する。

様々な手段を講じて777号を停止させようとする鉄道会社の上層部だが、そのいずれもがことごとく失敗してしまう。777号と同じ路線を走っていたフランクたちは、1206号を緊急待避線にすべり込ませて間一髪で衝突を回避すると、すぐさま777号の追跡を開始する。

777号の最後尾に連結して、1206号のブレーキで停車させる計画を思いついたのだ。フランクと口論を繰り返してきたウィルは、当初その計画に反対するが、彼の機関士としての経験と直感を信じ、命懸けのその計画に同意する。

警察と鉄道会社は被害を最小限に食い止めるために、777号の人為的な脱線を計画するが、これも失敗に終わる。全米の目は、追跡を続ける1206号の行方に注がれていた。テレビでその様子を見守る人々の中には、父親との関係がギクシャクしているフランクの2人の娘、そして、ウィルと別居中の妻の姿もあった。家族との絆を取り戻したいと願う一方で、鉄道マンの使命を果たそうとする2人の男。いつしか、彼らの間にはわだかまりを乗り越えた男同士の絆が芽生えていた。




だが、時間は刻々と経過、777号は高架下に多くの燃料タンクが設置される魔の急カーブに近づいて行く。果たして、彼らは未曽有の大惨事を防ぐことができるのか…。

ストーリーはいたってシンプルである。悪人が逃走目的で列車を盗んだり、核兵器を輸送したりと言うのでなくケアレスミスによるヒューマンエラーが原因で暴走を始めた全長800メートルもある爆弾同然の列車を、いかにしてベテランと新人のコンビが阻止するかという物語である。ま、これが実話に基づいているというところが怖いところである。


冒頭から緊張感漂うスリリングな展開に、スクリーンに釘付け状態である。迫力ある映像に、思わず見入ってしまうこと間違いない。ベテラン機関士と新人車掌の各々の家族問題を上手くはめ込み、物語に人間臭さを与えている。個人的に「アンストッパブル」は、ほとんど欠点が見当たらない作品であり、もしこの作品を悪く言う評論家や上から目線の素人映画通がいるならば、どの辺りがお気に召さないのか尋ねてみたいものである。

まだ2011年が始まったばかりだが、自分が選ぶ2011年度ベスト10には必ず上位に登場する作品だと確信する。興行成績が作品の良さに伴うかどうかは別問題だが、多くの人に観てもらいたい作品である。

 

キャスト スタッフ
フランク・バーンズ:デンゼル・ワシントン 監督:トニー・スコット
ウィル・コルソン:クリス・パイン 製作総指揮:クリス・シアッファ、リック・ヨーン、ジェフ・クワティネッツ
コニー・フーバー:ロザリオ・ドーソン 製作:ジュリー・ヨーン、トニー・スコット、ミミ・ロジャース
ケヴィン・ダン エリック・マクレオド、アレックス・ヤング
ジェシー・シュラム 脚本:マーク・ボンバック
ジェフ・ウィンコット 音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
ケヴィン・チャップマン 撮影:ベン・セレシン
イーサン・サプリー 編集:クリス・レベンゾン、ロバート・ダフィ
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