2013年度鑑賞作品
G.I.ジョー バック2リベンジ
 
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刺激的ハイパーアクション、
ついに頂上決戦!

2009年公開の「G.I.ジョー」から4年。やっと続編の登場。「G.I.ジョー バック2リベンジ」は、昨年に公開が決まっていながらも、「3D映画」としてさらなる映像表現の高みを目指すために、1年間の公開延期という措置が取られた。

G.I.ジョー バック2リベンジ

撮影の段階から、すでにこれまでのアクション映画以上に進化した空間設計が行われていたが、そのコンセプトは映像の3D化によってさらなる発展を遂げ、「ハイパー3Dアクション」と銘打つべきスピード感とダイナミックさが満載のアクション映像へと変貌。アクション、VFX、そして3Dファンは、この新次元の映像体験を見逃してはならない。

今回の目玉はブルース・ウィリスが助っ人としての参戦。高層ビルや大空港、果てはモスクワでの「世界で最も運の悪い」数々の危機を見事くぐり抜け、隕石を破壊するために宇宙に飛んだと思ったら、シルベスター・スタローンやアーノルド・シュワルツェネッガーのアクション界の重鎮たちともタメを張った男が、ハイテク兵器を装備した大統領直轄の機密部隊「G.I.ジョー」の名の由来ともなった伝説のソルジャー、初代「G.I.ジョー」のジョー・コルトン司令官としてカムバック。

今回の目玉はブルース・ウィリスが助っ人としての参戦
初代「G.I.ジョー」のジョー・コルトン司令官としてカムバック

ブルース・ウィリスの参加の影響力は数字になっても表れた。製作費はウィリス作品における最高レベルの1億ドルを軽く突破。そして、見事にすべての「ダイ・ハード」作品、「アルマゲドン」をも超える「ブルース・ウィリス史上歴代全米オープニング記録」を樹立。その勢いは、3月の世界公開時に全米、ロシア、韓国、ドイツ、フランスほかで週末ランキングNo.1を獲得、全53カ国で8030万ドルを記録して本年度の世界No.1オープニング記録を塗り替えたことでも明らかだ。

前作のラストで、国際テロ組織「コブラ」の一員が大統領になりすまし、ホワイトハウスを乗っ取るというとんでもない展開で終わっていたが、今回はそれをスタート地点に、冒頭いきなり「G.I.ジョー」を壊滅させるのだからスゴイ。

パキスタンで核兵器庫を無力化する極秘任務中の「G.I.ジョー」
ニセ大統領の陰謀による抹殺命令で突如壮絶な襲撃を受けて壊滅状態 前作の主要キャストをあっさりとお払い箱

パキスタンで核兵器庫を無力化する極秘任務中の「G.I.ジョー」は、ニセ大統領の陰謀による抹殺命令で突如壮絶な襲撃を受けて壊滅状態に陥る。前作の主要キャストをあっさりとお払い箱にして、パワフルな新キャストに入れ替えるという強引さが潔い。

その中でもドウェイン・ジョンソン演じるロードブロックが迫力ある存在感を示す。彼は、「ザ・ロック(The Rock)」として、ストーン・コールド・スティーブ・オースチンと並び、WWEアティテュード路線の代表的なプロレス選手で、祖父、父共に名プロレスラーであり、三世プロレスラーとして知られ、「ロック様」の愛称でも有名。

ドウェイン・ジョンソン演じるロードブロックが迫力ある存在感を示す

「ザ・ロック」として「偉大な男(The Great One)」「娯楽スポーツ界一シビれる男(The Most Electrifying man in Sports-entertainment)」「皆の王者(The People's Champion)」「猛牛(The Brahma bull、ブラフマ・ブル)」など数多くのニックネームを持つドウェイン・ジョンソンは、「スタートレック:ヴォイジャー」「ハムナプトラ2/黄金のピラミッド」へのゲスト出演をきっかけに映画俳優転向を志し、「スコーピオン・キング」で初めて主演を務めた。最近では、2011年公開の「ワイルド・スピード MEGA MAX」でのFBI精鋭捜査チームのボスであるルーク・ホブス役で、主演のヴィン・ディーゼルと丁々発止のバトルが記憶に新しい。なお、7月に公開が予定されている「ワイルド・スピード EURO MISSION」にも出演しており、今から楽しみである。今回の作品ではブルース・ウィリスとの掛け合いでイイ味を醸し出す。

ブルース・ウィリスとの掛け合いでイイ味を醸し出す

初代ジョーと現役「G.I.ジョー」たちが合流を果たした後は、手元に残された数々の銃器とマシンをかき集めて、大統領救出と「コブラ」の陰謀を阻止するための大規模作戦が展開される。歴戦の勇士たちが銃器によるコマンドー・アクションを繰り広げ、ロードブロックがスペシャル・マシンを駆り、「コブラ」のハイテク戦車をなぎ倒していく。

ロードブロックがスペシャル・マシンを駆り、「コブラ」のハイテク戦車をなぎ倒していく

リアルなコマンドー・アクションと、リアリティを無視したヒロイック・アクション。この2つが融合が「G.I.ジョー」シリーズの真骨頂。その「G.I.ジョー」独特の世界観がニンジャたちによるアクションバトル。中盤頃に登場する人気キャラクターであるストームシャドーとスネークアイズがチベットの高地で対峙し、手裏剣とマシンガン、剣と剣、そして、肉体と肉体をぶつけ合う肉弾戦を繰り広げる。

また、ワイヤーを滑り降りて高地からの脱出をはかるスネークアイズを追って、敵のニンジャ軍団も追いかけてくる展開では、垂直に切り立った断崖絶壁を舞台にワイヤーで吊されたニンジャたちが重力を無視して壮絶にバトルを繰り広げる。これまでに類を見ないスピード感だ。

「G.I.ジョー」独特の世界観がニンジャたちによるアクションバトル
「G.I.ジョー」独特の世界観がニンジャたちによるアクションバトル 垂直に切り立った断崖絶壁を舞台にワイヤーで吊されたニンジャたちが重力を無視して壮絶にバトルを繰り広げる
垂直に切り立った断崖絶壁を舞台にワイヤーで吊されたニンジャたちが重力を無視して壮絶にバトルを繰り広げる

タイプの違うアクションが混在し、相乗効果を生む。「こんなのありえねぇ〜!」と笑い飛ばすのは簡単だが、この作品にはそんな気持ちすら吹き飛ばすハイテンションなパワーが満ち溢れている。観客にスリルを感じさせる「タイムリミット」演出も抜かりなく用意されており、最後まで手に汗握るのは必至。

SF的な設定とデザインが注目の最新兵器も「G.I.ジョー」の魅力。今回も戦車やボート、ヘリ、変形するバイクや昆虫型の爆弾兵器など、マニア心をくすぐるガジェット群が多数登場。

変形するバイク
昆虫型の爆弾兵器

コブラが開発した衛星ミサイルによる都市攻撃シーンも、衝撃によって大地が一気に盛り上がり、建造物が壊滅していくという強烈なインパクト映像は衝撃的。

また、作品を彩る美女たちもステキ!

作品を彩る美女たちもステキ!
作品を彩る美女たちもステキ! 作品を彩る美女たちもステキ!

今回の作品では、ブルース・ウィリスやドウェイン・ジョンソンよりも存在感を示したのが、ストームシャドーを演じたイ・ビョンホンであることは間違いない。

アメリカの権威ある新聞の1つである「USA TODAY」が、「G.I.ジョー バック2リベンジ」のアジアでのヒットはイ・ビョンホンの力が大きかったと言及しているくらいだ。紙面記事を通じて、多くのハリウッド映画がアメリカだけでなく海外市場を重視し、海外の俳優が観客の視線を集めていることに関する企画記事を掲載。「G.I.ジョー」の続編は、前作の海外収益の成績が国内の成績の2倍に至るとし、海外市場はアメリカの映画業界に大きな影響を及ぼしており、それは断然経済的な面だけでなく、観客の満足度も変えていっていると伝えた。

ストームシャドーを演じたイ・ビョンホン

前作よりさらに出番が増えたイ・ビョンホンの写真をメインセクションに配置した「USA TODAY」は、韓国のトップスターであるイ・ビョンホンは、アジア市場を成功裏に開けた主役であり、公開したその週の海外市場の収益が80.3ミリオンドルを創出したのは彼の功労が大きいとコメントしている。

さらに、現在アメリカの映画市場の関心を一身に浴びているイ・ビョンホンの影響力に対して高く評価し、イ・ビョンホンの次のハリウッド出演作である「RED/レッド 2」の脚本家ジョン・ホーバーは、「G.I.ジョー」を通じてアメリカの観客が彼を知るようになったが、「RED/レッド 2」では世界が彼を知るようになると、イ・ビョンホンの演技とキャスティングに確信を示している。

イ・ビョンホンの影響力に対して高く評価

また、前作の「G.I.ジョー」を通じてアジア市場でのイ・ビョンホンの影響力を確認した制作会社のパラマウントが、「G.I.ジョー2」のワールドプロモーションを韓国から始めたことも有名な話だ。

前作でストームシャドーという人物は、少し独断的に描かれていた。どうして彼が1人だけの道を歩み、冷酷になったのか詳しい理由が描かれていなかった。しかし、今回の作品ではその理由が明かされる。ストームシャドーがどうしてそうするしかなかったのか、幼馴染と師匠の前で長い間着せられた濡れ衣を説明するシーンも用意されている。シリーズ1作目では少し冷たい人物を演じたイ・ビョンホンだが、今回は自然に秘密が明かされ、重要人物として存在感を発揮することができた。

重要人物として存在感を発揮

ストームシャドーは「コブラ」に所属しているが、その中で誰ともコミュニケーションをとらず、誰とも仲良くしてはいない。今回、彼に変化が生じた時もそうだった。ストームシャドーは、自分がどこにいようが、ただ自分自身の目標のためだけだと思っている。「コブラ」にいた理由は、自分を罠にはめた人物の1人、スネークアイズが「G.I.ジョー」にいたからに他ならない。世界を征服しようとする「コブラ」の目標や、そんな「コブラ」をくい止め、人類を助けようとする「G.I.ジョー」のように、巨大な目的を持って動いている訳ではない。

だから、別の見方をすれば、ストームシャドーは利己的な男だ。だが、その利己的でシニカルで、自分の意見がはっきりしている点が魅力的な存在である。イ・ビョンホンが演技をする時も、2つの集団の中でどこにいても動揺しないように努めたという。突然笑ったり、劇中の人物と協力せず、いつでも自分の目的だけを達成すればいいというストームシャドーの姿をストイックに演じた。それは、究極までに鍛えられた彼の肉体から伝わってくるメッセージでもある。

究極までに鍛えられた彼の肉体から伝わってくるメッセージ

ハリウッドは常に「クール」なことに慣れている。つまり、ブルース・ウィリスが深刻な状況にあってもジョークを言うシーンはハリウッド的である。そして、アメリカの観客はそれに慣れている。しかし、ストームシャドーは1人シリアスである。そんな他から浮いた存在はミステリアスであり、圧倒的な存在感を生む。ただ、日本人でストームシャドーを演じられる役者を思い浮かべる事が出来ないのが残念だ。

前作では悪の黒幕が「武器商人」で、その目的が「金儲け」と、一応大人も納得できるリアリティを保持していたが、今回の作品では「コブラ」の目的が「世界征服」になり、正義側も政府側の軍人という設定がほぼ最初だけであるため、リアルな銃器のアクションよりもアメコミの世界に近くなっている感は否めない。

「コブラ」の目的は「世界征服」
アメコミの世界に近くなっている感は否めない アメコミの世界に近くなっている感は否めない

ただ、ジャッキー・チェンさながらに障害物を乗り越えていくパルクールの華麗さや、銃撃戦でのアクション・コンサルタントを元米海軍特殊部隊員が担当し、「G.I.ジョー」の部隊員を現役のシールズ隊員が演じているのは驚きだ。火薬、弾薬、爆発、そして、肉弾戦とド派手な見せ場の連続で、どこがクライマックスか分からないほど血湧き肉躍る要素がてんこ盛り状態。

ダイナミックに一気に駆け抜ける2時間弱。「現実味がない」と言い捨てるのは簡単だが、その豪快さと潔さに、細かいことなどいつの間にか気にならなくなってしまうこと間違いない。ジェットコースターに乗った気分で「G.I.ジョー」たちの活躍を楽しもう!

この夏、最高のエンターテイメント作品である。

ジェットコースターに乗った気分で「G.I.ジョー」たちの活躍を楽しもう!

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