2013年度鑑賞作品
ワイルド・スピード
EURO MISSION
 
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かつてないスケールで描かれる
見たこともないアクション
常識を覆すミッションが、始動する。

前作のエンドロールの最後に次回作を期待させる気満々のサービスカットがあり、そして、その期待を裏切らないド迫力の作品に仕上がっている人気カー・アクションシリーズ第6弾「ワイルド・スピード EURO MISSION(原題:Fast & Furious 6)」。まさに「スゲェ〜」の一言。

人気カー・アクションシリーズ第6弾「ワイルド・スピード EURO MISSION(原題:Fast & Furious 6)」

前回、2台のクルマで金庫を引きずりながらの超絶カーアクションを披露し、リオの裏社会を牛耳るボスから見事1億ドルを手に入れたドミニクらは、祖国であるアメリカを追われているものの、犯人引渡し協定のない逃亡先の地で、等分した分け前を元手に家を購入、悠々自適の生活を送っていた。そして、ドミニクの妹ミアと結婚したブライアンには男の子が誕生。束の間の穏やかな暮らしを謳歌していた。

束の間の穏やかな暮らしを謳歌していた

そこに登場したのが、FBI特別捜査官ホブス。ヨーロッパを拠点とする国際犯罪組織の壊滅に手を貸せという。犯罪組織のリーダーであるショウは、元イギリス空挺部隊少佐でプロ中のプロ。まさに、毒を以て毒を制すという発想。そんなことには興味のないドミニクだが、ホブスから手渡された捜査資料には犯罪組織のメンバーに死んだはずの恋人レティの姿が…。「なんでやねん…」ってな心境のドミニク。

。ヨーロッパを拠点とする国際犯罪組織の壊滅に手を貸せという
まさに、毒を以て毒を制すという発想

第4作の「ワイルド・スピード MAX」で死んだはずのレティ、しかし、前作の「ワイルド・スピード MEGA MAX」のラストにサービスカットで登場し、そして、今回の現場復帰。死んだはずの登場人物が実は生きていた…なんてことはハリウッドにはよくある話なので、ミシェル・ロドリゲスのカムバックを心から喜んであげるくらいの余裕が欲しいところ。奇跡的に命を取り留めたレティは記憶喪失のまま犯罪組織のメンバーという、これまたけっこうありがちの設定だが、観客はそんな些細なことは気にしてはいけない。

死んだはずの登場人物が実は生きていた…なんてことはハリウッドにはよくある話

ただ、レティの存在が気になるのはドミニク。真相を確かめるためホブスに協力することにするが、チームの犯罪歴を抹消してくれってのが条件。この辺りはチャッカリしている。かくしてドミニク率いるドリームチームは正義の犯罪者集団としてロンドンに集結。

正義の犯罪者集団としてロンドンに集結

前回から参加しているホブス役のドウェイン・ジョンソンと、今回初参加の「エージェント・マロリー」で映画初主演を果たしたジーナ・カラーノというアメリカ格闘技界のスーパースターの参戦で、カーアクション映画に本物の肉弾戦の味付けが追加する。ミシェル・ロドリゲスとジーナ・カラーノの女同士の激しいバトルは、かなりの迫力で観客を圧倒する。

ホブス役のドウェイン・ジョンソンと、今回初参加の「エージェント・マロリー」で映画初主演を果たしたジーナ・カラーノというアメリカ格闘技界のスーパースターの参戦

そして、毎回これでもかのアクションを披露するカーバトルには、「フリップ・カー」と呼ばれる特殊車両が登場し、派手な活躍で観客を楽しませてくれる。外見はフォーミュラーカーの形状をしているが、車両の前部の特殊な形状から前方から突入してくる車両をはね上げてクラッシュに追い込むことができるというヤンチャな代物。取り囲む警察車両をバッタバッタとひっくり返し逃亡し、ブライアンまでが吹っ飛ばされる始末。劇中では「007みたいなクルマ」と称され、緊張感が解される。また、車体に引っ付けるだけでエンジンを停止させる電子チップが登場し、まさに「007」シリーズを彷彿させるようなアイテムが面白い。

「フリップ・カー」と呼ばれる特殊車両が登場
外見はフォーミュラーカーの形状をしているが、車両の前部の特殊な形状から前方から突入してくる車両をはね上げてクラッシュに追い込むことができるというヤンチャな代物 取り囲む警察車両をバッタバッタとひっくり返し逃亡し、ブライアンまでが吹っ飛ばされる始末

そして、掟破りの「ヴィッカース・アームストロング・FV 4201 チーフテン」という戦車の参戦。ハイウェイで10トンの戦車が時速70マイルで走行するカーチェイス(?)では、対向車線に突入して民間車両を轢き潰しながら走行したり、橋を砲撃で崩落させて道を寸断するなどやりたい放題。これはもうカーチェイスの枠を超えている。CGに頼らない映像の迫力は大きなスクリーンから迫りくる。

ヴィッカース・アームストロング・FV 4201 チーフテン」という戦車

これだけで終わらないのが「ワイルド・スピード」シリーズの真骨頂。最後は輸送機とのチェイスシーンが用意されている。輸送機に離陸されるとお手上げなので、何とか離陸阻止の涙ぐましい努力ぶり。この滑走路、どれだけ長いねん…というツッコミはさておき、輸送機内外でのバトルはまさにハラハラドキドキの連続。途中、「え〜」という悲劇もあり、雑なようで次作に続くフリも上手く差し込み、なかなか巧みな演出が施されている。この監督けっこうやるではないか。

最後は輸送機とのチェイスシーンが用意されている
輸送機内外でのバトルはまさにハラハラドキドキの連続

3作目の「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」からメガホンを取っていたジャスティン・リン監督は、一応今回で監督を降板。東京を舞台にした3作目は、「ワイルド・スピード」の外伝的な作品で、興行的には大失敗となったようだが、作品の時系列が今回の作品の次に3作目となる辺りを上手く帳尻合わせした感じになっており、ある意味、3作目のミスをカバーしている。

映画が公開されるタイミングに合わせて以前のシリーズをテレビ放映するケースが多いが、先日放映された「ワイルド・スピード」が、どうして3作目の「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」だったのかが何となく理解できた。

今回の作品の終了後に登場するサービスカットでは、3作目との関連性が明らかにされている。そして、次作のゲスト出演になるはずのビッグスターの存在が…。もし、そんな夢のような共演が実現すれば、カーアクションファンは狂喜乱舞すること間違いない。どんなストーリーになるのか、また、どちらを応援していいのだろうか。6作目が公開したばかりだというのに、今から次回作に期待が募る一方だ。

次作のゲスト出演になるはずのビッグスターの存在が…
そんな夢のような共演が実現すれば、カーアクションファンは狂喜乱舞すること間違いない

なお、次回作の監督はホラー映画「ソウ」のジェームズ・ワン。ちなみに、低予算のため18日間という短期間で撮影された「ソウ」は、2004年1月にサンダンス映画祭で上映されると熱狂的に支持され、波及効果で同年5月にはカンヌ国際映画祭でも上映されたのがきっかけとなり世界各国から買い付けが殺到した。彼のデビュー作は低予算ながら斬新なストーリー展開が評判となりシリーズ化され、2作目以降はプロデューサーとして参加している。「ワイルド・スピード」の次回作が彼の演出でどのような作品になるのか、楽しみでもあり不安でもあるというのが正直なところ。まさか、ガンガン車に轢き殺されたり、死んだ者の怨霊が活躍するというようなホラー色にはならないとは思うが…。低予算、短期間でけっこう素晴らしい作品を撮れる監督だけに、作品ごとに制作費が高騰してきた「ワイルド・スピード」シリーズの低予算化を図ろうとする狙いなのだろうか。ま、次回作の公開が待ち遠しいことに変わりはない。

ま、次回作の公開が待ち遠しいことに変わりはない

今回も前回同様シリーズの主要キャラは総登場し、また、新キャラも追加され、益々パワーアップされた「ワイルド・スピード EURO MISSION」。観客の度肝抜くアクションも健在だし、よくこんな映画作れるよなぁ〜って、圧倒される感じである。前作はユニバーサル映画史上最高のオープニング記録を叩き出し、全米で2億ドル越えの記録的な大ヒット作。そして、今回はその記録を更に超える大ヒットを記録し、現時点で2億3000万ドルの興収を上げ、目下記録更新中だという。2001年に公開された「ワイルド・スピード」の1作目からは想像できない大ヒット人気シリーズに成長したものだ。

観客の度肝抜くアクションも健在

「ワイルド・スピード」シリーズのもう1つの主役であるクルマたちも各シーンで活躍する。クライスラーグループの「ダッジ」と「SRT」の両ブランドがユニバーサルピクチャーズとパートナーシップ提携を結んでいる関係上、作品中に数多くの「ダッジ」と「SRT」ブランド車が登場する。

作品の冒頭でブライアンの「GT-R」と海沿いの道路を疾走するシーンでは、ドミニクが運転する2011年式の「ダッジ・チャレンジャー SRT8」が勇姿を披露。6.4リットルV型8気筒ガソリン「HEMI」ユニットは、最大出力470psを発生する。

「ダッジ・チャレンジャー SRT8」 & 「GT-R」

また、劇中オークションで競り落とした1969年式「ダッジ・チャージャー・デイトナ」は、ニトロ搭載の特別仕様。レティが運転する1971年式の「ジェンセン・インターセプター」との公道レースで使用され、その後、戦車とのチェイスで、ドミニクがレティを救うために乗り捨て、その後、橋のガードに激突して大破した。ちなみに、ロンドン市内での公道レースは、ロンドンオリンピックの開催中に中心街を封鎖して撮影されたという。

1969年式「ダッジ・チャージャー・デイトナ」は、ニトロ搭載の特別仕様
レティが運転する1971年式の「ジェンセン・インターセプター」
ドミニクがレティを救うために乗り捨て、その後、橋のガードに激突して大破

余談ながら、「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」では、渋谷駅前のスクランブル交差点での公道レースシーンがあるが、渋谷での派手なクラッシュやチェイスシーンを撮影する許可が下りるはずがなく、そのためロサンゼルスの街を封鎖し、そこに看板や道路標識を設置。それにあらかじめ撮影しておいた渋谷のビル群の映像を合成し、あたかも本当に渋谷で撮影したかのような迫力のカーチェイスシーンを実現している。

The Fast and the Furious: Tokyo Drift

ヨーロッパ車は、フェラーリやランボルギーニ・アヴェンタドール、ケーニッグゼグCCX、アストンマーチンDBSなどもチラッと登場するが、チェイスシーンでは残念ながら目立った活躍なし。ちなみに、2010年式「BMW M5 E60」は、物語前半にアジトより逃走するショウ一味を追跡するために使用するが、電子兵器によってクルマは制御不能に陥ってクラッシュ。また、ブライアンのクルマは「フリップ・カー」によってトンネル内で弾き飛ばされ大破する。

また、輸送機の内部に積まれていたアルファロメオ・ジュリエッタは、ブライアンとミアが脱出する際に搭乗したクルマ。

アルファロメオ・ジュリエッタは、ブライアンとミアが脱出する際に搭乗したクルマ

そして、戦車とのチェイスシーンではハーレーダビッドソンXR1200とドゥカティ・モンスターの2台のスーパーバイクが登場。そして、その戦車とのバトルで活躍したのが、1969年式フォード・アンヴィル・マスタング。戦車の前方を走行していた際に、砲撃の至近弾を受けてエンジンが故障し、そのまま戦車に轢き潰されるが、搭乗者が脱出直前に積まれていたウインチのワイヤーを戦車に括り付けたためスクラップとなった後も戦車のアンカーとなり、ハイウェイでのチェイスに決着につながった。

1969年式フォード・アンヴィル・マスタング

元イギリス軍人ショウ率いる冷酷非情な犯罪組織と正義の犯罪者集団との攻防を軸に、組織もパーツの交換が可能な機械のようなものと考え、部下の死にも無関心な冷酷なショウとチームを家族と考えるドミニクとの対比を上手く描いている。相手の弱みを付いてくるショウの戦法をチームプレイで崩しにかかるドミニクと仲間たち。派手なアクションの要素の中にしっかりと「絆」をテーマにした作品でもある。そんな上質のアクション映画は、観終わった後に心地良い爽快感を与えてくれる。

上質のアクション映画は、観終わった後に心地良い爽快感を与えてくれる

意外などんでん返しもあり、まさに見所満載のエンターテイメント作品の王道である。これを見逃すことはあり得ない。

前作の「ワイルド・スピード MEGA MAX」情報はこちらでご覧ください。

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