2013年度鑑賞作品
ゴースト・エージェント
R.I.P.D.
 
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「メン・イン・ブラック」の世界観とゴースト退治が融合したバディアクション・エンターテイメント!

たまにはこんなコメディもアリかなってな作品。成仏できない悪霊を取り締まるあの世の組織「R.I.P.D.」の捜査官コンビの活躍を描くバディ・ムービー「ゴースト・エージェント/R.I.P.D.」。

ゴースト・エージェント/R.I.P.D

ダークホースコミックスより出版されている漫画「R.I.P.D.」を原作とするこの作品は、キャッチコピーで「メン・イン・ブラック」と「ゴースト・バスターズ」の世界観を融合したと堂々と謳っているだけに、何となくパクリ感漂う設定がお見事と言うか、既視感にも似た懐かしさを醸し出す。だが、どこか憎めないホンワカとしたムードが秀逸。

ちなみに、タイトルにある「R.I.P.D.」とは、「Rest In Peace Department」の略であり、英語で「安らかに眠れ」を意味する「Rest In Peace」と「警察署」を意味する「Police Department」を組み合わせた造語。

Rest In Peace Department

設定での面白さは、死後の世界の捜査官の2人が現世に戻ればそのアバターが変わっているところである。新人捜査官ニックはくたびれた中国人老人に、そして、西部開拓時代のぶっきらぼうな英雄ガンマンだったベテラン警官のロイ・パルシファーは、なんとゴージャスな金髪美女というのだから笑ってしまう。この発想が実に良い。美女がガンマン口調で喋ったり、体を張ったアクションは見所の1つ。

新人捜査官ニックはくたびれた中国人老人に、そして、西部開拓時代のぶっきらぼうな英雄ガンマンだったベテラン警官のロイ・パルシファーは、なんとゴージャスな金髪美女
ゴージャスな金髪美女
体を張ったアクションは見所の1つ

なお、ロイのアバターの美女はマリサ・ミラーというアメリカ出身のファッションモデル。現在、スポーツ・イラストレイテッド誌に多く登場。また、ヴィクトリアズ・シークレットの「エンジェル」の1人でもある。

アマチュアのモデル活動を経て、2001年に写真家マリオ・テスティーノの撮影を受けたことをきっかけに、スポーツ・イラストレイテッド誌に登場。コスモポリタン誌やグラムール誌、GQ誌など各誌に登場したほか、「ノードストロム」「J・クルー」「トミー・ヒルフィガー」の広告に登場。

ヴィクトリアズ・シークレットの「エンジェル」の1人

ボストン警察のエリート警官、ニック・ウォーカーは妻のジュリアと幸せな生活を送っていたが、任務の遂行中に銃弾を浴び殉職。あの世に通じるトンネルをくぐり、天国に召されたはずのニックが突然連れ込まれたのは「R.I.P.D.」の一室。「R.I.P.D.」とはこの世にはびこる成仏できない悪霊を取り締まる秘密組織。ニックは「R.I.P.D.」の監督官から警察官としての能力を見込まれ、神の審判を受けるか「R.I.P.D.」のエージェントになるかの選択を迫られる。愛する妻のジュリアと永遠の別れを迎え、その事実を受け入れない事から、ゴースト・エージェントとしてでも妻の傍にいたいという願いから「R.I.P.D.」に所属することになるニック。

ゴースト・エージェントとしてでも妻の傍にいたいという願いから「R.I.P.D.」に所属することになるニック
ゴースト・エージェントとしてでも妻の傍にいたいという願いから「R.I.P.D.」に所属することになるニック

このニックを演じるライアン・レイノルズは、コメディ俳優として活躍していたが、2004年に肉体改造し「ブレイド3」でバンパイア・ハンターのハンニバル・キングを演じて以来、アメリカにおける「カッコ良いカラダの男性俳優ランキング」で1位に投票されるなど、肉体派俳優としての地位を確立。「X-メン」のスピンオフ映画「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」では、剣術の達人デッドプールを演じ、2011年公開のDCコミックのスーパーヒーロー「グリーンランタン」では主人公を演じた。

肉体派俳優としての地位を確立
「グリーンランタン」では主人公を演じた

現在は、「グリーンランタン」で共演したブレイク・ライヴリーと結婚しているライアン・レイノルズだが、かつては、スカーレット・ヨハンソンを妻としながらも離婚、その後はシャーリーズ・セロンやサンドラ・ブロックなど超A級ハリウッド女優との熱愛ゴシップが巷を賑わせたモテ男。

余談ながら、妻のブレイク・ライヴリーは、2007年放送開始のテレビシリーズ「ゴシップガール」のセリーナ・ヴァンダーウッドセン役でブレイク。映画・テレビドラマ・音楽・スポーツなど各分野で最も活躍したセレブリティや作品を選ぶ賞「ティーン・チョイス・アワード」で、ブレイクスルー女優賞(テレビ部門)と女優賞(テレビ部門)を受賞。また、ファッションアイコンとしても注目を集めている。

2007年放送開始のテレビシリーズ「ゴシップガール」のセリーナ・ヴァンダーウッドセン役でブレイク
妻のブレイク・ライヴリー

ちなみに、ニューヨークのシューズブティック「クリスチャン・ルブタン」に来店し、40足の靴を豪快に購入して周囲を驚かせたという。なお、2011年にクリスチャン・ルブタンはライブリーの名を冠した「The Blake」を製作している。

西部開拓時代のガンマンだったというベテランのロイとコンビを組むことになったニックは、「R.I.P.D.」のエージェントとして活動を開始。いかついロイを演じるのは、ベテラン俳優のジェフ・ブリッジス。

ベテラン俳優のジェフ・ブリッジス

彼はわずか1歳で俳優デビューしてから、1971年公開の「ラスト・ショー」での演技を皮切りに60歳になるまでアカデミー賞で主・助演賞のノミネート歴が4回あったが受賞に至らなかった。

2000年から数年にわたり、アメリカの雑誌などで「ハリウッドで最も過小評価されている俳優」ランキングでNo.1に選ばれ、「無冠の名優」とも言われたが、2009年公開の「クレイジー・ハート」による5回目のノミネートで、見事第82回アカデミー賞主演男優賞を受賞。また、翌年公開の「トゥルー・グリット」でもアカデミー主演男優賞にノミネートされた。

2009年公開の「クレイジー・ハート」

個人的には30年近く前に観たSF映画の「スターマン/愛・宇宙はるかに」やミステリ・サスペンス映画の「白と黒のナイフ」、また、1994年に公開された「ブローン・アウェイ/復讐の序曲」で主演したジェフ・ブリッジスが記憶に残っている。なお、「ブローン・アウェイ/復讐の序曲」では彼の父であるロイド・ブリッジスと父子共演が話題になった。ちなみに、その時の共演は最近「SMAP」のアンコールステージでキレキレのダンスを披露するトミー・リー・ジョーンズである。

白と黒のナイフ
「ブローン・アウェイ/復讐の序曲」では彼の父であるロイド・ブリッジスと父子共演が話題になった 共演は最近「SMAP」のアンコールステージでキレキレのダンスを披露するトミー・リー・ジョーンズ

ロイの破天荒な性格に翻弄されながらも次第にコンビとしての手腕を発揮した2人は次々に悪霊を退治していく。しかし、悪霊たちの陰謀による世界滅亡の危機が迫り、さらにジュリアにも魔の手が伸びていると知ったニックは、ロイと共に立ち上がる…ってな感じでストーリーはいたってシンプル。世界滅亡の陰謀とは、霊界へと通じているトンネルから悪霊たちを現世に逆流させるというアホらしいものだが、そこはご愛嬌。

ロイの破天荒な性格に翻弄されながらも次第にコンビとしての手腕を発揮した2人は次々に悪霊を退治していく
悪霊たちの陰謀による世界滅亡の危機が迫り、さらにジュリアにも魔の手が伸びていると知ったニックは、ロイと共に立ち上がる

そして、注目のキャスティングがニックの生前の相棒役ボビーを演じるケヴィン・ベーコン。1978年にジョン・ベルーシ主演のコメディ映画「アニマル・ハウス」で映画デビューし、ブレイク前には現在ではカルト的な人気を誇るホラー映画「13日の金曜日」に端役で出演、1984年に実話を元に映画化された「フットルース」でブレイクした。

1984年に実話を元に映画化された「フットルース」でブレイク

以来、ケヴィン・ベーコンは「フラットライナーズ」「JFK」「アポロ13」「インビジブル」「ミスティック・リバー」「イン・ザ・カット」、近年では「X-MEN :ファースト・ジェネレーション」など、年に2〜3本ペースで途切れることなく、幅広いジャンルの映画に出演しているため、「あらゆる役者がケヴィン・ベーコンを中継点にするとつながる」と言われるほど、過去の共演者リストの豊富さで有名、ハリウッドで「隠れた」中心人物と言われる俳優である。

実際、ケヴィン・ベーコン自身も「ハリウッドの全員が自分の共演者か、共演者の共演者だ」とインタビューで発言。そのハリウッドでのコネクションの多さから、役者の名前をあげて、彼もしくは彼女が出演した共演者から辿って、ケヴィンに行き着くまでの数字を競う「ケヴィン・ベーコン・ゲーム」なるものが作られるほど。

ハリウッドで「隠れた」中心人物と言われる俳優

彼へのオファーの多さは、他の役者にはない不安定さのある悪役を演じられるところにある。「あきらかに悪そうだけど、実はいいヤツなのか?」「いや、それとも悪いヤツ?でも、もしかしたら…、さらに裏があるのかも!?」と、クライマックスまで観客に期待させる演技ができる俳優はけっこう貴重な存在だ。時には観客の思惑を裏切る、確かな演技力を持ち合わせるからこそ、移り変わりの激しいハリウッドで長年にもわたり重宝され続けていることは間違いない。今回の作品も期待通りの演技が渋い。

今回の作品も期待通りの演技が渋い

「ゴースト・エージェント/R.I.P.D.」は、2002年にドイツ映画「タトゥー」で映画監督デビューし、2005年公開ジョディ・フォスター主演のサスペンス映画「フライトプラン」でハリウッド作品を初監督し、2010年公開の引退した超危険人物のオヤジたちが活躍する「RED/レッド」でもメガホンをとったロベルト・シュヴェンケの監督作品。ちなみに、11月公開予定の「RED/レッド」の続編「REDリターンズ」では監督はディーン・パリソットに交代している。

かなり強引で荒唐無稽なストーリー展開とド迫力映像に目を奪われがちだが、切ないラブ・ストーリー要素も散りばめられている。ニックはエージェントとしてジュリアに再会するも、その姿はニックには程遠い中国人の老人姿に見えてしまうため、ニックが目の前にいる事に気づかず、涙の日々に暮れるジュリア。アクションシーンと並行して、名作「ゴースト/ニューヨークの幻」を彷彿させる、届きそうで届かない、伝えたくても伝わらない、まどろっこい歯痒さがグッド。

いろんな作品が「ごった煮」状態

ま、いろんな作品が「ごった煮」状態で、お値打ち感溢れる作品と思えば良い。独特の魅力を持ったバディが、世界の存亡を左右する巨大な陰謀と対峙するアクション・ムービー。気楽な気分で鑑賞しよう。

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