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2013.Apr. 2
新しいロフト

雑貨品のデパートとも言える「ロフト」は、1987年11月に西武百貨店が渋谷店の隣に「シブヤ西武ロフト館(渋谷以外への出店は渋谷ロフトに変更)」として誕生した。開業当初は、近隣の「東急ハンズ渋谷店」と品揃えや客層が近く対比されることが多かったことは言うまでもない。

その後、日本各地に店舗を展開していき、1996年に株式会社ロフトを設立し西武百貨店から独立。そして、積極的に店舗を拡大してきたロフトは、昨年9月に基幹店舗「渋谷ロフト」を約8年ぶりに全面リニューアルするなど、2013年3月末日でFC含む83店舗を運営している。

昨年9月に基幹店舗「渋谷ロフト」を約8年ぶりに全面リニューアル

ちなみに、「東急ハンズ」は、住まいと生活に関連する商品を多く取り扱う市街地立地型のホームセンターという位置付け。生活雑貨を主体とした細かな品揃えを特徴としており、ただ、郊外立地型のホームセンターのような大型商品の陳列は少数にとどめている。遊休地利用を図るための新規事業として、ライフスタイルプロデューサーの浜野安宏の提案により、東急不動産が1976年にホームセンター事業に参入。同年11月に神奈川県藤沢市に第1号店の藤沢店を出店した。

一般的にはファンシーショップやバラエティーグッズの店舗としても知られるが、その本領はプロが利用するような特定業界向けの工具や素材・材料類を工作マニアに向けて提供する商品展開がキモ。さらに、それらの商品についての使用方法や応用に精通する店員が、詳細に案内・実演する点でも他店との差別化を図っている。

「東急ハンズ」は、住まいと生活に関連する商品を多く取り扱う市街地立地型のホームセンターという位置付け

それまで見たことはあっても、入手手段さえわからなかったような工芸用道工具類や金属材料・樹脂材料などが、どちらかといえば場違いな市街地のシャレた店頭に並べられ、適量に小分けして販売される様子は、一種のカルチャーショックを与えたとも言われ、郊外型ホームセンターなどがそのような品揃えを重視する先陣を切ることとなった。

現在では、こだわりのある生活雑貨を中心とし「東急ハンズ」とは一線を画すようになっている「ロフト」だが、2002年には親会社である西武百貨店の経営不振に伴い、森トラストが西武百貨店が持つロフトの株式を取得し、以降、森トラストが長らく筆頭株主であったが、2007年3月にセブン&アイ・ホールディングスの完全子会社で、西武百貨店を傘下に持っていたミレニアムリテイリングが、森トラスト及びイオン所有のロフトの全株式を取得し、子会社化した。これが、「ロフト」がイトーヨーカ堂系のショッピングモール「アリオ」へ出店するきっかけになった。2009年8月には、ロフトの親会社であったミレニアムリテイリングが、そごうと西武百貨店と3社合併して「株式会社そごう・西武」になった。

余談ながら、2008年3月に非正規雇用が社会問題となる中、パートタイマー・契約社員・正社員の3区分を撤廃し、パートの希望者全員を正社員にした。ただし、世間一般的な「正社員」とは違い、給与体系はその大半が時給換算で、いわゆる「月給・固定給」社員の割合はごくわずかであり、実際には「正社員」「バイト」問わず希望者全員が65歳の定年まで働く事が出来る無期雇用になったにすぎない。

「渋谷ロフト」のような大型店舗以外に、百貨店やSCなど営業面積約1000平方メートル前後のコンパクトタイプの出店にも力を入れるなか、最近では都心型の駅直結ビルや駅ナカといった商業施設からの入居要請が増加している。つまり、各施設の1店舗あたりの営業面積は約160平方メートル未満と、既存のコンパクトタイプよりもさらに小型で、限られた面積の店舗環境の構築が必要になってきたのが現状。

今回スタートする「SELF & SHELF LOFT」は、こうした出店先に対応する都心の便利な「ゼネラルストア」で、マーチャンダンジングやオペレーションを一新して、都会で暮らす20代後半の女性をイメージターゲットに設定。そして、既存の「ロフト」業態で最小タイプの店舗類型「ミニロフト」よりも約2〜3割ほど縮小した約100〜200平方メートルの店内で、「ON」(仕事・勉強などの時間)と「MOVE」(移動の時間)、「OFF」(リラックスする自分の時間)の3つの時間軸に使用する文具を核に商品を編集し販売する。

SELF & SHELF LOFT

1号店の東京ドームシティラクーア店を皮切りに、今秋さらに1店舗を開き、2013年度以降には多店舗に拡大する予定という。本部主導型のオペレーションにより、フラットでコンパクトな組織を実現することで、機動的な出店とスピーディーな多店舗化に対応していくという。

なお、1号店の開店日は4月30日を予定している。

 
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