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2013.Apr. 4
Yohji Yamamoto

若かりし頃、よく「Y's for men」の服を着ていたことがある。もともと「Y's」を着ている女性の隣にいる男性が似合う服というコンセプトで作られたブランドだが、2009-10年秋冬コレクションをもって休止している。

「Y's」のデザイナーである山本耀司は、1972年に既製服部門として「株式会社ワイズ(Y's)」を設立。1977年に東京コレクションにデビューした。1990年には三菱銀行、1991年には東海旅客鉄道(JR東海)の新制服をそれぞれデザイン、1993年のバイロイト音楽祭ではワーグナーのオペラ「トリスタンとイゾルデ」の衣装を担当した。

山本耀司

2004年に紫綬褒章を受章。翌2005年には経済産業省より「日本ブランド創造貢献企業表彰」受賞。海外からは、1994年にフランスより芸術文化勲章シュバリエを叙勲し、その後、2005年にはオフィシエを受賞。2006年には英国王立芸術協会名誉ロイヤル・デザイナー・フォーインダストリー受章している。

2009年10月に「旧(株)ヨウジヤマモト」は民事再生法の適用を申請、負債は60億円。しかし、投資会社の「インテグラル」の支援により、直営店および百貨店インショップ、国内外の卸事業は継続。パリコレも続ける。また、山本耀司は引き続きチーフデザイナーとして、デザイン活動を行い、2009年12月に「インテグラル」が設立した新会社が「ヨウジヤマモト」として旧ヨウジヤマモト社から事業譲渡を受け、再起を果たした。

2011年6月、春季外国人叙勲にてフランスより芸術文化勲章コマンドゥールを叙勲されることが報道。コマンドゥールは民間人が対象となっている勲章の中で最高位であり、2011年10月にパリの文化・コミュニケーション省にてフレデリック・ミッテラン大臣より直接受章した。

最近よく行く梅田・大丸の中にあるカフェの隣には「ヨウジヤマモト」のメンズショップがある。オシャレなディスプレイやアバンギャルドな彼の服に前々から関心を抱いており、先日意を決して試着を試みた。シンプルな黒のスーツに袖を通すと、なかなか着心地の良いフィット感。袖丈だけ気になったが、久々に着るユニクロ以外の服が新鮮に映る。すかさずショップ店員から「タケシさんも着ているスーツです」との説明が入る。

プライベートで山本の服を愛用している

山本耀司は「BROTHER」「Dolls」「アウトレイジ」での大友組組長衣装など、北野武の映画作品の衣装を数多く手がけており、タケシもまたプライベートで山本の服を愛用しているという。店員から「タケシが、タケシが…」と言われても、著名な芸能人が愛用するからという理由で有難がる年齢でもないので、「あ、そう〜、で?」というのが正直な感想だ。ただ、昔のバブリーなバカポン時代ならスーツの10数万のプライスもそう高価に感じなかったのだが、その値段でユニクロの服がどれくらい買えるかと頭の中で素早く計算する現在の自分には少々情けなくなる。

山本耀司は、服作りの傍ら、アトリエで美人画を描き続けてきた。それらの作品はパリのブティックに飾られた後、2012年6月に青山の旗艦店で開催された絵画展でも披露。そして、山本が長年追い続ける「女性の後姿」を絵画で表現する「Art Complex by Yohji Yamamoto A Beauty Looking Back(見返り美人)」が伊勢丹新宿店本館1階「ザ・ステージ」で4月9日まで開催されている。

Art Complex by Yohji Yamamoto A Beauty Looking Back(見返り美人)

「見返り美人」がテーマの作品が公開されるのは世界初披露で、今回は受注販売も行っている。真っ白なダンボールに墨汁で描かれた見返り美人画(50万円)は、フォトグラファー宮本夢画が「13SSコレクション」を題材に撮った写真を模写して、山本が本展のために描き下ろしたもの。額に入った美人画(80万円)や、絵画制作の過程で偶然に生まれたという墨汁に染まった1点もののシャツ(31万5,000円)なども登場。

真っ白なダンボールに墨汁で描かれた見返り美人画
額に入った美人画
絵画制作の過程で偶然に生まれたという墨汁に染まった1点もののシャツ

同ブランドの「13SSコレクション」を着こなすマネキンたちは、女子美術大学出身のアーティスト「いしばしめぐみ」がモデルの頭部をかたどって作ったもの。その顔には彼女たちの喜怒哀楽まで表現されており、1点ずつ表情が異なる。

「13SSコレクション」を着こなすマネキンたちは、女子美術大学出身のアーティスト「いしばしめぐみ」がモデルの頭部をかたどって作ったもの

他にも様々なアイテムを扱っており、山本が大好きだというバナナのマスコット(2万7,300円)は、低反発スポンジを使い、ロープやコンセントの脚がついたユニークなデザイン。マンガデザインによる広告PRで知られる「マンガデザイナーズラボ」とのコラボでは少女をモチーフにしたマンガを懐かしいルービックキューブやキャンバスバッグで表現した。

山本が大好きだというバナナのマスコット
ルービックキューブ

また、山本が20代の頃に北アフリカや東欧で出会った香水「コロンヤ」からインスピレーションを受け、「ファインド・ニューズ」とのコラボで誕生した清涼飲料水「A Beauty Looking Back特別版ハーブウォーター」(1,575円)。更に、同ウォーターを、女子美術大学とコラボした手描きボトルに入れた「A Beauty Looking Back特別版フラワーボトル、ハーブウォーター」は、大小6種類(大1万2,600円、小1万290円)で販売されている。

A Beauty Looking Back特別版フラワーボトル、ハーブウォーター

そして、昨年6月に青山の旗艦店で開催された絵画展で展示された作品のデッサンをプリントしたポストカードセット(4枚組み1,680円)とハンカチ(3,150円)なども販売されている。

ちなみに、「ヨウジヤマモト」から今春登場したウィメンズの新ライン「レギュレーション ヨウジヤマモト(REGULATION Yohji Yamamoto)」の世界初の単独ショップがJR大阪三越伊勢丹に先月オープンした。

「統制」や「規則」などのキーワードを連想させるユニフォームのスタイルを取り入れ、着る人がさまざまに着こなすことができるデザインが「REGULATION」の特徴。今季は、ミリタリー調のジャケットやコート、オールインワンやサスペンダーパンツなどが揃っている。

REGULATION Yohji Yamamoto

 
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