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2017 May. 6

CARL F. BUCHERER

昨年の「バーゼルワールド」では新キャリバーを発表、マニュファクチュールの本懐であるテクニカルな強みを発揮したのは、1888年にスイス中部のルツェルンに誕生した高級時計ブランド「CARL F. BUCHERER/カール F. ブヘラ」

CARL F. BUCHERER

しかし、今年は一転、質実剛健を地で行くブランドが艶やかなカラーコントラストを披露。創業130周年という大切な節目を来年に控え、表現方法のアップデートが試みられた。

「CARL F. BUCHERER」といえば、中身で勝負する硬派のマニュファクチュールとして時計通を唸らせてきたブランドとして知られている。そのメーカーが、今年は「色仕掛け」で攻めている。

CARL F. BUCHERER

こんなにも色艶やかなモデルをこのブランドが出すとは…一体どれほどの時計マニアが想像しただろう…。しかも1発目のカラーバリエーションとは思えない、パンチの効いた変化球を繰り出した。ブルーグレー文字盤にグレーのストラップを合わせるコンビネーション提案などシャレオツである。

Manero Flyback/マネロ フライバック 103万円(税別予価)
Manero Flyback/マネロ フライバック 103万円(税別予価)

これには、デザイナーが変わったのか…、いや、プロダクト開発者が変わったのか…。はたまた戦略が変わったのか…答えはいずれも「NO」。製品開発担当副社長クルト・アレマン曰く、「今年の新作も、CARL F. BUCHERERの既定ライン」とコメント。

ちなみに、クルト・アレマンは22歳でスイスのルツェルンへ向かい、時計師として「CARL F. BUCHERER」に就職。前身のブヘラウォッチの時代から製品開発に携わり、2017年3月で勤続40周年を迎えた。今年の新色およびその組み合わせも、すべてクルトによるプロジェクトである。

クルト・アレマン

これまでは時計好事家の趣向に合わせ、オーソドックスな外観に仕上げてきたが、これからは若い人たちやファッションに精通する人たちにもアプローチできるように、カラーリングで意図的に遊び心を加えたという。ただし、機械へのこだわりを捨てたわけではなく、色の遊びはあくまでエクステンションという位置づけである。

ローズゴールドのケースに、シャンパンカラーの文字盤を合わせるというのもなかなかシブい。シブさがヴィンテージ感を誘い、今どきのハードコアな表情を生んでいる。シャンパンカラーとローズゴールドとのカラーコントラストがまったく過剰とならず、むしろこのコンビネーションが定番ラインのひとつのように見えるのも、ベースデザインがオーソドックスであればこそだ。「ピカピカのヴィンテージ」と、言葉にすると不思議だが、それが時計界の今季トレンドでもあるようだ。

Manero Flyback/マネロ フライバック 252万円(税別予価)
Manero Flyback/マネロ フライバック 252万円(税別予価)

そして、ブラックダイヤルにローズゴールドの組み合わせが、むしろ控えめに見えるが、サンレイ仕上げとサテン仕上げを巧みに使い分けた文字盤デザインに、楔形インデックスの古風なディテールがよく似合っている。

Manero Flyback/マネロ フライバック 252万円(税別予価)
Manero Flyback/マネロ フライバック 252万円(税別予価)

さらに、マニュファクチュールムーブメントを搭載する「Manero PowerReserve/マネロ パワーリザーブ」に登場した新色ダイヤルは2色。鮮やかなブルーとグリーンのダイヤル。

Manero PowerReserve
Manero PowerReserve

サンレイ仕上げの光沢が際立つ文字盤のため、まるでシルクのような印象をもたらしているところが興味深い。ブルーもグリーンも、ビジネスコード内の色彩のため、これらをウィークデイで使用することは何ら問題はない。

むしろ同系色のネクタイを合わせると、スタイリッシュさが際立つこと間違いない。クラシカルな文字盤をビビッドカラーで引き立てるのもまた、現代的な遊び心である。

Manero PowerReserve/マネロ パワーリザーブ 123万円(税別予価)※世界限定188本
Manero PowerReserve/マネロ パワーリザーブ 123万円(税別予価)※世界限定188本
Manero PowerReserve/マネロ パワーリザーブ 123万円(税別予価)※世界限定188本

そしてストラップまでも同系色。艶を備えたカーフ素材で、ステッチ糸を同色に染め、レザーに馴染ませている徹底ぶりも見事。

こだわりが感じられる。それが「CARL F. BUCHERER」である。

さて、来年に創業130周年を迎える「CARL F. BUCHERER」だが、それは前身のブヘラ社を含めてのカウントである。ブランドを刷新して「CARL F. BUCHERER」と名乗るようになって15年。そう考えるとリニューアルしてからは、それほど多くの時は経っていない。ゆえに「私たちはスタンスを変えるつもりはないし、変えるべきタイミングでもない」と、クルト・アレマン。ルツェルン生まれのこの知る人ぞ知るブランドの伝統は、ビジネスをいたずらに拡大せず、少量生産でも大切に作っていくことと言える。

CARL F. BUCHERER

また、クルト・アレマンは、「ルツェルンはスイス建国の地であり、市民はそれを誇りに思っており、ルツェルン市民に独立心が強いのはそのためだ。そして、ルツェルン市民のフリースピリットを色濃く受け継いでいるのが、この地で代々暮らしてきたブヘラ家であり、その風土で歴史を積み重ねてきたのがカール F. ブヘラである」と、コメントする。

マーケティングに左右されず、時計産業の伝統に則ったアイテムに集中する。その姿勢を崩さず、昔ながらの時計作りを次世代に伝えていく。「CARL F. BUCHERER」のブランドポリシーは、そのままクルト・アレマンの生きざまと重なって見える。

余談ながら、2015年に公開された映画「ジョン・ウィック」において、主人公のジョン・ウィック演じるキアヌ・リーブスが装着する腕時計が「CARL F. BUCHERER」の「マネロ オートデイト」

ジョン・ウィック
ジョン・ウィック

時刻と日付のみを表示するシンプルなダイヤルは、端正なマットとエレガントな艶の質感を携え、硬派でありながらブランドの伝統に裏打ちされる品格が漂っている。

マネロ オートデイト 36万7200円
マネロ オートデイト 36万7200円

ジョン・ウィックの鼓動を刻むように手元で静かに時を告げる「マネロ オートデイト」は、無駄なく確実にミッションを遂行する彼の相棒として、この映画に彩を与えている。

ちなみに、7月7日より公開される「ジョン・ウィック:チャプター2」でも、ジョン・ウィックの腕には「CARL F. BUCHERER」の時計が再び装着されている。

今回もジョン・ウィックは、トレードマークとなったシルバーダイヤルとブラックアリゲーターストラップを備えるステンレススティール製の「マネロ オートデイト」を愛用。

一方、ラップスターでミュージシャンのコモンが演じたジョンの敵方カッシアンは、ブラックダイヤルのステンレススティール製「パトラビ スキューバテック」を着用、そして、ウィンストン役のイアン・マクシェーンの腕を飾るのもブラックダイヤルとブラックストラップを備えるステンレススティール製「マネロ オートデイト」。

パトラビ スキューバテック 91万8,000円
パトラビ スキューバテック 91万8,000円

マネロ オートデイト 36万7200円
マネロ オートデイト 36万7200円

映画を観るときは、出演者の腕を要チェック。

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