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2017 May. 11

ドキュメンタリー映画2作品

今日は、上質のドキュメンタリー映画2作品をサクッとご紹介。

2006年に公開された「不都合な真実」は、アル・ゴア元アメリカ副大統領が出演し、地球と人類の未来を予見するドキュメンタリー映画。地球温暖化によって引き起こされる数々の問題を説いた衝撃的な内容で話題となった。

不都合な真実

アル・ゴアが地球温暖化を喧伝するスライド講演に、彼の生い立ちを辿るフィルムを交える構成のドキュメンタリー映画であ、過去の気象データや温暖化により変化した自然の光景を用い、環境問題を直視しない政府の姿勢を批判しており、自然環境を意識しつつ日常を生活する重要さを訴えた。

アル・ゴア

アメリカではブッシュ政権が「地球温暖化など単なる学問上の仮説で、温暖化現象は現実に確認できていない」とする公式見解で温暖化を否定し、ほとんどのメディア報道も追従。しかし、地球環境の温暖化問題についてこの作品で初めて知ったアメリカ人もおり、国内で強い影響を与えたことは間違いない。

また、内容が事実誤認やデータ誇大化などにより「センセーショナリズムが勝る」等の批判もあり、イギリスでは学校での公開は政治的活動であると保護者らから提訴され、英高等法院は「9ヶ所事実誤認している場所がある」として「是正措置を取るように」と判決した。しかし、地球温暖化の問題提起は妥当として、保護者らの「上映差し止め」請求は退けている。

不都合な真実

ただ、「カンヌ国際映画祭」で特別上映され大喝采を浴び、「第79回アカデミー賞」では2部門(長編ドキュメンタリー賞/主題歌賞)を受賞、ドキュメンタリー映画史上に残る記録的大ヒットとなった。そして、2007年にはこの作品で環境問題啓発に貢献したとして、アル・ゴアにはノーベル平和賞を授与されている。

ノーベル平和賞

余談ながら、日本では「不都合な真実」公開時、国会質疑において「環境大臣はこの映画を観ているのか?」との質疑などがなされた。また、チェイニー副大統領の来日に際して、安倍首相がこの作品に掛けて「日米で協力して地球温暖化対策を進めよう」と持ちかけたところ、「あの映画はアル・ゴアのプロパガンダだ」と不快感が示された旨が「報道ステーション」などで報道された。

もう1つ余談ながら、英紙デイリーテレグラフによると、アル・ゴア自身のベンチャーキャピタルの二酸化炭素取引市場や太陽光発電、電気自動車、スマートグリッドなどの環境市場の出資により、資産が以前の120万ポンドから6000万ポンドとなり、世界初の環境長者になったと報道している。

アル・ゴア

そんな話題性十分の「不都合な真実」の続編となる、「不都合な真実 2:放置された地球」がこの秋に公開されることが決定。

An Inconvenient Sequel: Truth to Power

10年の時を経て、その続編となる作品が完成。世界的エコムーブメントが巻き起こった後のこの10年間で果たして何が起こったのか、カメラは衝撃の現実を映し出していく。

An Inconvenient Sequel: Truth to Power

前作では見られなかった、必死の形相で声を荒げ、祈るように使命をまっとうしようとするゴアの姿をカメラは追っている。今も世界中を飛び回り、地球環境問題に取り組む人材の育成を支え、国際的に影響を与え続けている彼は、一体どんな「真実」を突き付けるのだろうか。

An Inconvenient Sequel: Truth to Power

製作陣には、前作「不都合な真実」の監督であるデイヴィス・グッゲンハイムを筆頭に、当時のスタッフ陣が集結。さらに「スポットライト」に関わったジェフ・スコール、「グッド・ウィル・ハンティング」「キル・ビル」シリーズのプロデューサーであるローレンス・ベンダーが参加している。

An Inconvenient Sequel: Truth to Power

なお、「不都合な真実 2:放置された地球」は、前作同様5月17日に開催される「第70回カンヌ国際映画祭」の特別招待作品として上映されることが決定している。

 
An Inconvenient Sequel: Truth To Power

もう1つのドキュメンタリー映画は、映像作品のみならず、絵画、立体、写真、音楽など、様々な方法で表現活動を続けているデヴィッド・リンチの謎を紐解く「David Lynch: The Art Life(原題)」

David Lynch: The Art Life

この作品は、リンチ自身がプライベート映像と共に、幼少期の家族との思い出や、同居人であったJ・ガイルズ・バンドのピーター・ウルフ、後に「ストレイト・ストーリー」「マルホランド・ドライブ」の美術監督を務めるジャック・フィスクとの出会い、そして、フィラデルフィアでの暮らしや、妻ペギーの出産を経て、長編映画デビュー作「イレイザーヘッド」制作に至るまでを語るものとなっている。

David Lynch: The Art Life
David Lynch: The Art Life

「第70回カンヌ国際映画祭」の70周年記念イベントでは、デヴィッド・リンチ監督による伝説的TVドラマシリーズ「ツイン・ピークス」の25年ぶりの新作2エピソードがプレミア上映されることが決定するなど、今再び世界を騒がせているデヴィッド・リンチ。

ツイン・ピークス

「絵を描いたり何かするたびに、新しいアイデアが浮かんでくる。だが、しばしば過去がアイデアを生み出し、色付けをする。だから新しいアイデアであっても、過去が関わってくるんだ」と語るリンチの「創造」はどこから生まれてくるのか?

David Lynch: The Art Life
David Lynch: The Art Life
David Lynch: The Art Life

映画界で最も得体の知れない監督に迫るドキュメンタリーが、ついに2018年に日本でも公開されることが決定した。

 
David Lynch: The Art Life Documentary
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