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2017 Oct. 7

悪と仮面のルール

中村文則によるサスペンス小説「悪と仮面のルール」を原作とした同名の映画が、2018年1月全国ロードショーされる。

悪と仮面のルール

中村文則は、フリーターを経て、2002年に「銃」で第34回新潮新人賞を受賞して華々しいしデビュー。その後、2004年に「遮光」で第26回野間文芸新人賞、そして、2005年には「土の中の子供」で第133回芥川龍之介賞を受賞。さらに、2010年に「掏摸(スリ)」で第4回大江健三郎賞を受賞、その人気は日本だけにとどまらず、「掏摸」の英訳 「The Thief」は、ウォール・ストリート・ジャーナル紙で2012年のベスト10小説に選出、2013年のロサンゼルス・タイムズ・ブック・プライズにもノミネートされた。

中村文則

また、今回映画化された「悪と仮面のルール」の英訳「EVIL AND THE MASK」は、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の2013年のベストミステリーの10作品に選ばれている。ちなみに、2014年には、ノワール小説への貢献で、アメリカで「デイビッド・グーディス賞」を受賞した。

悪と仮面のルール

中村の作品は、ドストエフスキーやカミュ、カフカなどから影響を受けており、普遍的な主題に特徴があり、ミステリーの手法も取り入れている。

今回の作品で描かれるのは、「悪となるためにつくられた」少年。

財閥家に生まれた少年文宏は、10歳になった年、自分が純粋「悪」となることだけを望まれて生まれた存在だということを実父に聞かされる。そして、「悪」となるための教育として、14歳の誕生日に「お前に地獄を見せる」と告げられる。その地獄とは、想いを寄せ合う相手の香織が、父の手により損なわれてしまうことだった。

香織を守るために、文宏は父を殺害。奇しくもそれは、父が望んだ悪に近づくことでもあった。父を殺した後、文宏は心身を喪失し、次第に望まない父に似ていく。彼を想いながらも、父の面影におびえる香織に、文宏は彼女の前から去ることを決意。

悪と仮面のルール

香織と別れた文宏は、顔を捨てて別人の新谷に成りすまし、彼女を影から見守り続ける。そんな中、彼女の身を狙う存在を排除した文宏は、その裏で糸を引く人物と出会う。その人物とは、父と同じ歪みを持つ久喜家の者、文宏の兄だった…。そして、再度彼女を守るため、文宏は罪を犯すことを決意する。

父から受けた自分の出生に関する衝撃の告白に絶望し、自分を見失った主人公の文宏を演じるのは、テレビドラマ「のだめカンタービレ」ではスマートながらもどこかコミカルな演技を、そして、連続テレビ小説「あさが来た」では、穏やかで包容力のある演技を見せるなど、この繊細な役柄を務めるのにふさわしい実力派の玉木宏

玉木宏

1人の女性に出会うことで自分の存在意義を見出していくが、彼女を愛するがゆえに罪を重ね、父親が望んだ通りの「悪」に染まっていく姿を、その端正で知的な佇まいが文宏の背負う複雑な闇をさらに引き立てる。

また、主人公に生きる意義を与えるが、皮肉にも悪に足を踏み入れるきっかけとなってしまう存在の香織を演じるのは、最近売り出し中の新木優子

新木優子

雑誌「non-no」の専属モデルとなり、看板モデルへと成長した新木は、小栗旬・西島秀俊主演の「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」での大山玲役で注目され、先日終了した「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-3rd season」での新人フェローの熱演が記憶に新しいところ。

怪奇的なストーリーの中で純粋でまっすぐした存在である香織は、物語の繊細な部分を担っており、新木が彼女をどのように演じているか注目される。

そして、テログループ「JL」の一員として、主人公の文宏をメンバーに引き込もうとする伊藤亮祐。演じるのは注目の若手イケメン俳優の吉沢亮。初めて髭をのばした挑んだという吉沢は、今までの爽やかな印象とは違った姿が印象的。イケメン俳優が魅せる新しい一面に注目が集まる。

吉沢亮

さらに、文宏の兄である幹彦を演じるのは、ミュージシャン・ドラマーとして知られている中村達也。様々なバンドでドラマーとして活躍している中村だが、俳優としても活動しており、2006年公開の映画「涙そうそう」や2014年公開の「るろうに剣心 京都大火編」にも出演している。今回の作品での久喜幹彦は、父が亡くなった後、一族を仕切り、闇を体現する姿として存在感を発揮する。

中村達也

他に、顔と名前を変え新谷弘一となった文宏のことを、殺人容疑で追いかける刑事の会田を演じるのは、ベテランバイプレイヤーとして知られる柄本明

柄本明

また、物語のキーパーソンになりそうな探偵の榊原を演じるのは重厚感のある演技に定評がある俳優の光石研

光石研

この作品でメガホンをとる中村哲平は、関ジャニ∞の映像作品「8UPPERS」、ロックバンド「UVERworld」のドキュメンタリー映画「UVERworld DOCUMENTARY THE SONG」をはじめとして、ミュージシャンのMVでも知られている。ちなみに、福山雅治主演の「アサヒスーパードライ」のCMシリーズの監督、さらには「一億分の一の小説」という小説の原案も担当と、幅広い分野で活躍する人物だ。

中村哲平

今回の作品の主題歌に抜擢されたのは2013年から歌手として活動している「Uru(ウル)」。2017年までに5枚のシングルを発売しており、ファーストシングル「星の中の君」は、映画「夏美のホタル」の主題歌としても使用されている。映画「悪と仮面のルール」のために書き下ろしたという新曲「追憶のふたり」は、映画を鑑賞した「Uru」が感じたことを歌詞や曲に込めて制作。別離した男性の幸せを願う無垢な想いを女性目線で歌った悲恋のミドルバラード。Kan Sanoのアレンジにより、ブラックミュージックやJAZZの要素も感じさせる上質な仕上がりとなっている。

Uru

作品から感じ取れる、嫌でも感じるような人間らしさ、そんな登場人物たちのラブストーリーという世界観を壊さないよう書き下ろしたという楽曲は期待大。

「悪」となるための英才教育を受けた主人公が、1人の女性を守るためには殺人さえ辞さないというハードな内容だが、「善悪」とは何か?「真の愛」とは何か?などのテーマがつきつけられる。1人の男が壮絶な運命に翻弄されながらも、愛を貫く様を描いた「究極の愛の物語」とも言える「悪と仮面のルール」の公開が待ち遠しい。

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