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2017 Oct. 10

スタジオジブリの世界観

「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「天空の城ラピュタ」など数多くのヒット作を生み出し続けている「スタジオジブリ」

ハウルの動く城
ハウルの動く城

私たちが泣き笑い、ハラハラドキドキした作品中のドラマが起こる場所として、ジブリ作品にはたくさんの印象的な「建造物」が登場してきた。例えば「千と千尋の神隠し」の「油屋」や、「となりのトトロ」の「草壁家」は誰もが忘れられない建物の1つだろう。

草壁家
草壁家

そんなジブリ作品に登場する建造物にスポットライトを当てた展覧会「ジブリの立体建造物展」が、12月2日から2018年2月5日まで、「あべのハルカス美術館」で開催される。出発点となる「風の谷のナウシカ」から、ジブリの最新作「思い出のマーニー」まで、作品に登場する建造物の背景画やボード、美術設定といった制作資料450点を公開。また、代表的な建造物を立体で表現し、その設計の源に触れられる。

ジブリの立体建造物展

映画、特にアニメーション映画は画面に映る全ての世界を描き出さなければならない。言い換えれば、これは理想を映し出せる装置とも言える。

この世界の中で空想された建造物はただの「空想」ではなく、現実の世界を深く観察した上で登場人物の生活、時代等の想定、検証を十二分に経てデザインされたものであり、映画の世界観を体現するものである。

カルチェラタン
カルチェラタン

月島家
月島家

油屋
油屋

「ジブリの立体建造物展」は、誰もが慣れ親しんできたジブリ作品を建造物たちを切り口にした新たに楽しめる展覧会である。

一方、「三鷹の森ジブリ美術館」では新企画展示「食べるを描く。」が開催中。

食べるを描く。

日常を丹念に描き、日々の営みを丁寧に表現する「スタジオジブリ」作品。その中でも印象的なシーンとして挙げられるのが食事のシーンかも知れない。企画展「食べるを描く。」では、「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「天空の城ラピュタ」といったそれぞれの作品のなかで印象的な食事のシーンを取り上げる。

食べるを描く。
食べるを描く。
食べるを描く。

そして、どのようにしてそのシーンが描かれているのかを、「ゲド戦記」「コクリコ坂から」などを手掛けた宮崎吾朗企画監修により、絵コンテや原画、そして、監督や作画監督が手を入れた修正原画などを用いて解説。さらに、食事を作るシーンを忠実に再現した展示室も公開する。

食べるを描く。

登場する食べ物は決して特別なものではなく、誰もが目にしたことのある、あるいは日常で口にするありふれたもの。ところが、その食べ物を一緒に食べることで登場人物は心を通わせあったり、その食事から力をもらったり…、物語のなかでいつも重要な意味が込められている。

食べるを描く。
食べるを描く。

その演出を可能にしているのが、描き出す作画の力。細やかな原画や絵コンテによって、映像から温かみや柔らかさを醸し出す。だからこそ、「スタジオジブリ」作品の食事はいつだって美味しそうで、その食べる姿に観客まで涎が出てしまいそうな程そそられる。

展示室の入り口、各「スタジオジブリ」作品の料理シーンの画面写真が私たちを出迎える。その横には、ずらりと並べられた美味しそうン料理の数々。「美味しそう!」「食べてみたい!」…自分の印象に残っている食べ物を今一度思い返してほしい。

食べるを描く。

そして、展示室に歩を進めると、まずはレトロなレストラン風の第1室。ここでは食事シーンを貴重な絵コンテや原画などの資料で振り返ることができる。

「魔女の宅急便」で印象に残っている食べ物は何?。代表的な1つとしてあげたいのが、マダムの作った「ニシンとカボチャのつつみ焼き」

ニシンとカボチャのつつみ焼き

主人公のキキが、宅急便の依頼をしてくれたマダムにお願いされ、孫娘に届けたこのパイ。「私、このパイ嫌いなのよね」。孫娘はそう言ったものの、映画を見た誰もが一度は食べてみたいと思ったのではないだろうか。そのシーンの秘密が、この展示で紐解けるかも知れない。

ニシンとカボチャのつつみ焼き

「千と千尋の神隠し」では、食べるシーンがたくさん出てくる作品の1つ。展示の中では、千尋のお父さんが不思議な町の食べ物(神様の食べ物)を頬張るシーンの秘密を探る。

神様の食べ物

特に食べ物を見るキャラクターの「目」の繊細な描写は、「スタジオジブリ」ならではのリアリティーが追及されていることを実感できるに違いない。

そして、何より大切なシーンもやはり食べ物が関係している。千尋がハクにもらったおにぎりを食べる場面。食べることを通して感じる千尋の感情の変化とは何だろうか…。絵コンテで21秒もあるこの大切な場面の解説を読めば、もう一度この作品を見てみたくなってしまうだろう。

千尋がハクにもらったおにぎりを食べる場面

また、映画の中では食べることだけでなく、食事を作るシーンも幾つか登場する。第2室では食事を作るシーンを空間展示で忠実に再現。登場人物たちが食事を作る姿を想像しながら楽しめる。

「となりのトトロ」の草壁家の食卓と台所が、今回の展示で映画さながらに再現される。台所には、さつきが朝ごはんを料理する際に使っていた鍋や包丁、そして、居間には見覚えのある丸いちゃぶ台が置いてあり、そのちゃぶ台の上にはさつきがお父さんとめいに作ったあのお弁当と朝ごはんが並べられている。

となりのトトロ
となりのトトロ
となりのトトロ
となりのトトロ

「天空の城ラピュタ」のタイガーモス号の調理場を再現した展示では、シータが大人顔負けで料理した場面が思い起こされる。調理台には、思わず「美味しそう」と声が漏れそうになるほどの出来立てスープが置かれている。

天空の城ラピュタ
天空の城ラピュタ
天空の城ラピュタ

その他にも、思わず手が伸びてしまいそうなパンなども登場。この臨場感溢れる展示は、実際に足を運んでみてみないと体感できない。

そして、この展示の凄いところは、見えないところまでも再現し尽くしているというところ。いろんな棚を開ければ、食材が隠れていたり、残飯が隠れていたり…。隅々までこの空間を堪能してほしい。

見るだけじゃ物足りないという人には、実際に再現されたカフェメニューがおススメ。期間中は特別メニューとして、「ハウルの動く城」から「お城のベーコンエッグ」、「崖の上のポニョ」から「あらしの夜のハムラーメン」、そして、「魔女の宅急便」から「ちっちゃなマダムのチョコレートケーキ」が登場する。

お城のベーコンエッグ(パン付き) 1,500円(税込)
お城のベーコンエッグ(パン付き) 1,500円(税込)
大きくカットした豚バラベーコンに半熟トロトロの目玉焼き。もちもち食感の天然酵母にサンドして、あるいは目玉焼きトーストを乗せて。自分次第の味わい方で召し上がれ。

あらしの夜のハムラーメン 650円(税込)
あらしの夜のハムラーメン 650円(税込)
旨味たっぷりの醤油ダレを自家製ブイヨンで割ったオリジナルスープは病みつきになる美味しさ。ちぢれ麺とからめて召し上がれ。

ちっちゃなマダムのチョコレートケーキ 800円(税込)
ちっちゃなマダムのチョコレートケーキ 800円(税込)

また、テイクアウトとして「みんな大好きハムサンド」、ドリンクメニューとして「ハチミツ入りホットミルク」も提供。

ハチミツ入りホットミルク 550円(税込)
ハチミツ入りホットミルク 550円(税込)

ひとつの「美味しい」を生み出すために精密で膨大なレシピを練っているのは映画だけでなく、このカフェでも同じ。どのメニューも決して贅沢ではないかもしれないが、どこか懐かしい、そして、優しさに溢れたホッと心和む味に出会えるるはずだ。

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