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2017 Sep. 11

ダリの挿絵版画展

1989年に亡くなった20世紀を代表するシュルレアリスムの巨匠サルバトール・ダリには、血のつながった子どもがいないとされていたが、スペインの占い師のピラル・アベルが、ダリの家政婦だった母とダリとの間に生まれた娘だと主張し訴えたため、マドリードの裁判所はDNA鑑定のため、「ダリ劇場美術館」に埋葬されているダリの遺体の掘り起こしを命じた。

Teatro-Museo Dali
Teatro-Museo Dali

そして、DNA鑑定の結果、親子関係がないことが確認された。

「サルバドール・ダリ財団」は遺体の掘り起こしには反対していたが、裁判所の命令で結局は掘り起こされた。財団側は「ダリの遺体を掘り起こすという何とも侵襲的な行為に同意する前に、まず娘だと名乗る女性の法律上の父親や兄弟とのDNA鑑定をすべきだと考えます」と声明を出した。確かに…。この意見には納得する。

なお、ダリの遺体を掘り出した時、防腐処理が行われていた彼の有名な口髭は、10時10分を指した完璧な形のままだったという。

サルバドール・ダリ

もし娘だと認められていれば、ダリの莫大な遺産の25%を相続する権利を得るはずであったが、今回は多額の損害賠償金が請求される可能性が大きいようだ。さぁ〜、どうなることやら。

この世を去ってからも何かと世間の注目を浴びるサルバトール・ダリだが、彼が名作文学の世界を表現した挿絵コレクションを紹介するテーマ展「ダリの挿絵版画〜絵を読む、物語を見る。」が、9月11日から11月30日までの期間、福島県の「諸橋近代美術館」にて開催される。

ダリの挿絵版画〜絵を読む、物語を見る。

シュルレアリスムを代表する芸術家であり、ダリの新たの一面を発見できそうなイベントであり、ダンテの叙事詩「神曲」、ミゲル・デ・セルバンテの「ドン・キホーテ」、ビゼーのオペラ「カルメン」など、文芸史における金字塔と言える作品群をダリがどのように解釈したのかを垣間見ることが出来る。

サルバドール・ダリ ダンテ「神曲」煉獄篇第1歌 悔悟者の治世
サルバドール・ダリ ダンテ「神曲」煉獄篇第1歌 悔悟者の治世

「ドン・キホーテ」の挿絵は、ダリの特徴的な表現技法「銃弾主義」が端的に表れた作品と言え、火縄銃に装填されたインクの弾丸を石板の上で炸裂させるという衝撃的な描画方法は、風車を巨人と勘違いし向かっていくマッドなドン・キホーテを表現するのにピッタリだったかもしれない。

サルバドール・ダリ 「ドン・キホーテ
サルバドール・ダリ 「ドン・キホーテ 」

「地獄」「煉獄」「天国」といった世界を描いたダンテの「神曲」は、ダリ以前にもボッティチェリやミケランジェロ、ロダンといった名だたる芸術家によって表現されてきた作品ではあるが、ダリが描いた挿絵は他の芸術家の作品と比べ、地獄をいかに描写するかの点で決定的に異なっているといえる。

サルバドール・ダリ ダンテ「神曲」地獄篇第27歌 黒いケルビーニ
サルバドール・ダリ ダンテ「神曲」地獄篇第27歌 黒いケルビーニ

「ダンテの地獄は地中海の太陽と蜜とで明るく輝きわたっている」とダリ本人が記しているように、挿絵にみられる地獄の世界は、それまで描かれたどの芸術家による作品よりも明るく描かれている。

また、今回のテーマ展と同時に「コレクション展 シュルレアリスムとダリ」も開催。「シュルレアリスム(超現実主義)」とは、1924年に詩人アンドレ・ブルトンの「シュルレアリスム宣言」発表によって始動した20世紀最大の芸術思想運動。幻想や夢、偶然性を鍵に無意識と非合理の世界をあらゆる手法で探求し、意外性と驚異に満ちた新たな表現を生み出した。サルバドール・ダリもこの運動に合流し、現在はシュルレアリスムの代表格として認知されている。

シュルレアリスム

今回のコレクション展では、「諸橋近代美術館」所蔵の西洋近代及びダリコレクションを通して、シュルレアリスムの発端と展開をご紹介する。

さらに、9月17日には、「ダリの国!情熱のスペインパーティー」を「諸橋近代美術館」内で開催。当日は美術館展示鑑賞も無料となり、設置されるブースイベントの参加も無料となる。

ダリの国!情熱のスペインパーティー

祭りの目玉となるのは、1,000食分無料提供されるスペインの郷土料理パエリア。バレンシアのパエリアコンクール国際部門6度の優勝を果たした、埼玉の人気店「すぺいん亭」が登場し、大鍋で作ったカラフルなパエリアが来場者で振る舞われる。

ダリの国!情熱のスペインパーティー

また、女性パフォーマー「p0p0」によるダリ・バルーンアートや、スペイン産ワインやチュッパチャプスなど食にまつわる景品が当たる抽選会も実施予定。

女性パフォーマー「p0p0」

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