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2018 Mar. 13

ヴィトンの新しい香り

昨年末に長らく迷走した「自分に合う香り」探しの旅も一応の終焉を迎えた。

何年もの間、いろんなフレグランス売り場のお姉さんたちに迷惑をかけ、多くのフレグランスを試させてもらった。最初は、「ボクに合う香りをおススメください…」とお姉さんに主導権を渡すと、ほとんどの方が「爽やかな柑橘系」を薦めてくれる。よほどボクに爽やかさがないからだろうと…と、勝手に判断しているのだが、基本、柑橘系の香りは苦手である。

長年の試行錯誤を繰り返し、何となくの候補が数種類ボクの心の中に宿った。個人的には、自身のイメージとして、やはりオリエンタル調のアダルトな香りがしっくりくる。名前にフランス語で黒という意味の「NOIR」という言葉が使われたネーミングのフレグランスにお気に入りが多い。

心の中ではトム・フォード「ノワール・デ・ノワール オード パルファム スプレィ」にほぼ決定しており、フレグランス売り場に顔を出す度に、いつも厚かましくも勝手にサンプルをシューさせてもらっていた。スタッフのステキな女性ともチョイと仲良くなり、この香りに決定だな…と思っていた。

ノワール・デ・ノワール オード パルファム スプレィ

年末も近づいて12月の中頃、普段はあまり馴染みのないルイ・ヴィトンの売り場にフレグランスコーナーを発見。その時は知らなかったが、2016年に登場した1946年以来70年ぶりとなる新作フレグランスコレクション「レ・パルファン ルイ・ヴィトン」であった。情緒溢れる旅を表現した7種類の香りは、調香師ジャック・キャヴァリエが自ら年月をかけて世界中を旅し、そこで出逢った魅惑的な異文化や、希少な香りをインスピレーションに作られた品々。

レ・パルファン ルイ・ヴィトン

旅人の忠実な伴侶となるのは「Rose des Vents/ローズ・デ・ヴァン」という名の羅針盤。
Rose des Vents
グラースのバラ畑に誘うのは、鋭い嗅覚を持つインハウス・マスター・パフューマーのジャック・キャヴァリエ。まるで呼吸しているかのように、風に揺らめくバラたちの香り。また、イリスとシダーによる艶やかで荘厳なノートに加え、ほのかに感じるペッパーがアクセントになっており、時間が経つにつれ、完熟した果実のように肌の上で優しく香り、朝の光のような輝きを放つ。

心を揺り動かすような「チューベローズ(月下香)」の香り。
Turbulences
遥か彼方の地を追い求めるのは、まるで雲の間をすり抜けるよう感覚。一目で恋に落ちる衝動からインスパイアされた「Turbulences/タービュランス」は、花香の中でも最も香り立ち、濃艶なチューベローズから生み出される。

プレシャスなジャスミンと調和した香りは、滑らかなレザーのような奥深くて心地良い、魅惑的な雰囲気を醸し出す。

レザーが織りなすインフュージョンは、まるで五感を刺激する冒険への招待状。
Dans la Peau
旅とは欲望を掻き立てる力を秘めたもの。肌にまとった瞬間から、永遠に残る刻印のような「Dans la Peau/ダン・ラ・ポー」

砂糖菓子のようなアプリコット、グラース産ジャスミンと中国産サンバックをアクセントに、ルイ・ヴィトンのアトリエを彷彿させる独特のナチュラルレザーが香り立つ。続いてナルシス(水仙)の香りを放ち、ラストノートにはムスクの調べ。まさに、「Dans la Peau」は欲望のままに肌に溶け込むような香り。

スズランが織りなす至福の香り。
Apogee
時に広大な自然界へと導き、安らぎの一時を与えてくれる束の間の逃避行。「Apogee/アポジェ」は、イノセンスという名の秘薬のようにその感覚を呼び覚ます。輝くようなスズランが、ジャスミン、マグノリア、そして、バラの花びらと調和する。ほのかに感じるスモーキーなガイヤックウッドとサンダルウッドのエッセンスが空高く伸びるしなやかな茎のように花々の香りを引き立たせる。

予期せぬフレッシュさと温かみを感じさせるバニラの香り。
Contre Moi
旅路で出逢う2人の男女を彷彿させる官能的で情熱を掻き立てるような「Contre Moi/コントロモワ」。バニラに魅了されたジャック・キャヴァリエが、バニラにかつてないフレッシュさを加えた。

マダガスカルとタヒチ産のバニラを、繊細なオレンジフラワーやローズ、マグノリアとブレンド。かすかに感じるビターココアが、香り全体を昇華させる。

神秘の世界へと誘うダークウッドとホワイトフラワーの香り。
Matiere Noire
未知の世界を探検するのは究極にファンタジックな旅であり、そして、最もスリリングな冒険。パチョリやアガーウッド(沈香)など希少な木々が生い茂る深い森へと引き込まれるような香りの「Matiere Noire/マティエール・ノワール」。ブラックカラントがアガーウッドのアニマル・ノートを引き立たせ、純白のナルシスやジャスミンとの対比によって、彗星が漆黒の森に光を与えるかのようにフローラルの香りを開花。魅惑に富んだ神聖な香調が、肌の上で見事に溶け合う。

ラズベリーとレザーのかつてない独創的なフュージョンから誕生した光への賛歌。
Mille Feux
旅を彩る光の魔法…それはゴールドに輝く太陽、星が瞬く夜空、オーロラのカーテン。それらの煌めきにインスパイアされたジャック・キャヴァリエが作り上げた、光輝くすべての女性に捧げる香り。そのきっかけとなったのは、彼がルイ・ヴィトンのレザーを取り扱うアトリエを訪れた際、ラズベリーカラーのレザーがラグジュアリーなハンドバッグに姿を変えたのを目にした時のこと。完熟したフルーツのように艶やかなレザーが彼にインスピレーションを与え、ラズベリーとレザーの香りを調和させた。

可憐な白い花びらに野性味のあるアプリコットの香りをまとうオスマンサス(金木犀)をベースに、イリスとサフランをプラス。情熱的で魅力的な女性を想起させる「Mille Feux/ミルフー」は、まるで夜空に輝く花火のようだ。

この7種類をそれぞれ香り、ある意味衝撃を受けたのが「Turbulences/タービュランス」。まさに、一目で恋に落ちる衝動が心を揺さぶった。今までにない新鮮な感覚は、これまでの候補の香りを霞ませてしまった。

Turbulences

チョイと例えは変であるが、長年寄り添ってきた恋人(トム・フォードの「ノワール・デ・ノワール オード パルファム スプレィ」)だが、突然知り合った妖艶な美女(タービュランス)に一目惚れしてしまった感じ。

こんな時、要領の良いプレイボーイ紳士なら両方を手に入れるところだが、妙に純なところのあるジジイは二股をかけることはできない。

「自分に合う香り」探しの旅もこれで終止符。

やっと気に入る香りを見つけた喜びにワクワクだが、トム・フォードの売り場を素通りする心苦しさは、恋人を見棄てたゲス野郎ってな感が否めない。お気に入りのステキなお姉さんの顔がまともに注視できない…。

やっとお気に入りの香りが見つかったルイ・ヴィトンのフレグランス・コレクションに、2018年春、新たな魅力的な香り「Le Jour Se Leve/ル ジュール・スレーヴ」が仲間入り。

煌めく夜明けの光を想わせるマンダリンが香る「Le Jour Se Leve/ル ジュール・スレーヴ」。
Le Jour Se Leve
朝一番の日の光には、いつ見ても超自然的なパワーが漲っているようである。夜を突き抜け、新鮮な幕開けを予感させてくれる太陽の光…。さぁ、新たな冒険に出掛けよう。

調香を手掛けるジャック・キャヴァリエが、奇跡と呼べるほど素晴らしい柑橘果実と評するマンダリンは、果肉からは楽観的な世界観を、皮からはフレッシュさを、そして、木々からはフローラルな軽やかさを引き出すことのできる万能なシトラスノート。

Le Jour Se Leve

今回は、太陽をその身いっぱいに浴びたマンダリンに中国産ジャスミンサンバックを加え、フレッシュなブラックカラントで全体を調和させた。朝の空気のように爽やかで、希望に満ちた香りは新たな地平線を目指す旅へと誘う。

ちなみに、ルイ・ヴィトンのフレグランス・コレクション「レ・パルファン ルイ・ヴィトン」のそれぞれの香りは、トラベル用スプレイやミニチュアセット、シャレたフレグランスケースも併せて展開されている。

トラベル用スプレイ
ミニチュアセット
ミニチュアセット
フレグランスケース

ちなみに、フレグランス売り場に立ち寄ることは止めれそうにない。3月1日にリニューアルされた阪急うめだ本店2階のフレグランス売り場は、個人的になかなか楽しい遊び場となった。今までにない新しい香りも多数ラインナップされ、香り好きにはまさにワンダーランドってな趣である。チョイと心配なのは、「タービュランス」より気に入る香りに出会ったらどうしよう…という贅沢な悩み。

フレグランス売り場

そんな悩みが先週現実となった。

ある老舗香水ブランドのエクスクルーシブフレグランスラインのオリエンタル調の香り。これまた「タービュランス」といい勝負するステキな衝撃。一途な紳士に浮気の危機が…。ま、そんな大袈裟なものではないが、チョイと気になる香りであることは間違いない。オトコでも女性でも使用できるユニセックスな香りなので、隣にいる女性がこのステキな香りを身にまとっていれば問題は即解決である。

 
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